【防災士が解説】防災×避難所|多くの人が直面する「避難所生活の10の苦痛」

避難所は「命を守る場所」ですが、生活の場としては多くの困難を抱えています。
被災直後は耐えられても、数日〜数週間と続くことで、心と体の限界が静かに近づいてきます。
ここでは、防災士として現場や被災者の声から見えてきた、避難所で特に多い10の苦痛を整理します。


■① プライバシーがない

仕切りがなく、着替え・会話・睡眠すべてが他人の視線にさらされます。
「常に見られている」感覚は、想像以上に精神的ストレスを与えます。


■② 眠れない

照明が消えない、いびきや物音、床の硬さ、寒暖差。
慢性的な睡眠不足は、体力だけでなく判断力と感情を確実に削っていきます。


■③ トイレが不衛生・遠い

数が足りない、臭いが強い、夜間に行きづらい。
水が流れないケースも多く、我慢が常態化します。


■④ 体を清潔に保てない

入浴できない、洗濯できない。
汗や皮脂の不快感が蓄積し、皮膚トラブルや気力低下につながります。


■⑤ 寒さ・暑さへの対策不足

毛布・暖房・冷房が不足しがちです。
季節によっては体調悪化だけでなく、命に直結する問題になります。


■⑥ 食事が偏る・量が足りない

炭水化物中心で、温かい食事が少ない。
高齢者や子どもは特に影響を受けやすく、体力低下が早まります。


■⑦ 情報が入ってこない/錯綜する

支援情報や復旧状況、今後の見通しが分からない。
不確かな噂が広がり、不安が増幅します。


■⑧ 人間関係のストレス

価値観の違い、ルールの不統一、音や匂いへの不満。
小さな不満が積み重なり、トラブルに発展しやすくなります。


■⑨ 持病・服薬管理が難しい

薬が足りない、医療につながりにくい。
慢性疾患の悪化が、避難生活を一気に苦しくします。


■⑩ 「弱音を吐けない空気」

「みんな我慢しているから」と弱音を吐けない。
我慢が美徳になり、心が先に壊れてしまうケースが少なくありません。


■まとめ|避難所の苦痛は「特別な人」だけの問題ではない

避難所の苦しさは、誰にでも起こり得るものです。
「自分は大丈夫」と思っていた人ほど、後から一気に疲労が出ることもあります。

結論:
避難所生活の最大の敵は、静かに積み重なるストレスである。

防災士として現場で感じたのは、
体の不調よりも先に「心が折れる」人が多いという現実です。
だからこそ、避難所に頼りきらない発想、自律型避難の視点、
そしてプライバシー・睡眠・清潔を守る備えが、これからの防災では欠かせません。

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