地震や台風、大雨のニュースを見るたびに、
「非常食は一応3日分あるから大丈夫」
そう思って、備えを後回しにしている人は少なくありません。
しかし実際の災害現場では、
この「3日分あれば安心」という認識が、多くの家庭を苦しめてきました。
非常食の本当の意味と、現実的な備え方を整理します。
■① 「非常食3日分」の本当の意味
非常食が「3日分」と言われてきた理由は、
災害発生後72時間は行政の支援が届かない可能性が高いため、
その間は自力で耐える必要があるという想定に基づいています。
これは「3日で助かる」という意味ではなく、
「最低限、3日は自分で生き延びる覚悟を持ってほしい」
という行政側からのメッセージです。
■② 実際の災害では3日で終わらない
現実の災害では、
道路の寸断、停電、通信障害などが重なり、
支援が想定より大幅に遅れるケースが多発します。
東日本大震災では、
5日〜7日以上、物資が届かなかった地域もありました。
3日分の備蓄では、明らかに足りなかったのです。
■③ なぜ「1週間分」が推奨されるのか
近年は、
・最低3日分
・できれば7日分
という備蓄基準が主流になっています。
これは、
在宅避難が増え、
自宅で電気・水道が止まった状態で生活を続ける可能性が高まったためです。
家族全員が、7日間「最低限の生活」を維持できる量。
これが、現実的な安心ラインです。
■④ 食料と水は「量」よりも「継続性」
非常食というと、
・特別な保存食
・期限の長いもの
を想像しがちですが、
大切なのは続けられることです。
普段から食べ慣れている食品を少し多めに持ち、
使ったら補充する。
この考え方が、無理のない備蓄につながります。
■⑤ ローリングストックが防災を楽にする
ローリングストックとは、
日常の買い物や食事の中で備蓄を回す方法です。
・普段食べるレトルト
・飲み慣れた飲料水
・家族が嫌がらない食品
これを「災害用」と分けずに管理することで、
期限切れや放置を防げます。
■⑥ 在宅避難時に非常食が果たす役割
在宅避難では、
食事がとれるかどうかが精神状態を大きく左右します。
温かいものが一つあるだけで、
・不安
・ストレス
・焦り
は大きく軽減されます。
非常食は、空腹を満たすだけでなく、
心を落ち着かせる防災資源でもあります。
■⑦ 防災士から見た「実際に多かった失敗」
防災士として現場で多く見たのは、
・3日分しか用意していなかった
・家族の人数を考慮していなかった
・水の量が圧倒的に足りなかった
というケースです。
誤解されがちなのは、
「避難所に行けば何とかなる」という考えです。
行政側が言いにくい本音は、
全員分の食料を即座に配れる体制は現実的に難しいという点です。
■⑧ 備えは「完璧」より「継続」
非常食に正解はありません。
大切なのは、
自分や家族の生活に合った備えを続けることです。
一度で7日分を揃えなくても構いません。
まずは、
「今、何日分あるか」を知ることが第一歩です。
■まとめ|非常食は「日数」ではなく「安心」を備える
非常食は、3日分あれば終わりではありません。
現実の災害は、もっと長く続きます。
結論:
非常食は「3日で足りるか」ではなく「1週間どう過ごすか」で考える
防災士として多くの現場を見てきましたが、
余裕のあった家庭ほど、冷静に行動できていました。
備えは、量だけでなく向き合い方です。
少しずつ、暮らしの中に防災を組み込むことが、
いざという時の大きな安心につながります。

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