停電すると、
「とりあえず家にあるろうそくで明かりをつけよう」と
考える家庭が少なくありません。
しかし、
防災の専門家としては“ろうそくは絶対に推奨しない”
と断言できます。
理由は明確で、
ろうそくは火災リスクが極めて高いから です。
■ ろうそくが危険な理由(災害現場で何度も見た事実)
● 余震で倒れやすい
→ ろうそく火災は地震後に多発。
● 風で揺れて周囲に引火しやすい
→ カーテン・紙類・布団が一瞬で燃える。
● 子ども・高齢者・ペットが転倒させやすい
→ ろうそく火災の4割が「接触」。
● 蝋(ろう)が垂れて火力が暴走することがある
→ 思いのほか炎が大きくなり手に負えない。
● 避難時に持ち運びが不可能
→ 手がふさがり、緊急時の行動が遅れる。
災害時のろうそく火災は、
“停電より深刻な二次災害” を引き起こす危険な光源です。
■ どうしても使うなら(最低限の安全策)
※本来は使わないのが正しいですが、
家庭にある一般的な物と組み合わせて“火災を防ぐ工夫”をまとめます。
① 深い皿 × ろうそく
→ ロウの垂れ落ちを吸収して倒れにくくする。
② 水を張った器 × ろうそく
→ 火力を抑え、倒れてもすぐ鎮火。
③ アルミ皿 × ろうそく
→ 耐熱+転倒時の延焼防止。
④ ガラス瓶 × ろうそく
→ 風除け効果。炎が外に触れにくい。
⑤ コップ × ろうそく
→ 炎を囲って安全性アップ。
⑥ テーブル中央 × ろうそく
→ カーテン・紙・布製品から離す。
⑦ ペット・子どもを近づけない
→ 災害時はとくに接触事故が多い。
⑧ 就寝時は必ず消す
→ 火災原因の圧倒的1位。
■ ろうそくは“あくまで補助”。主役はランタン
ろうそくは雰囲気作りには良くても、
防災では危険性の方が圧倒的に大きい。
停電対策は必ず以下の“安全3種”で:
● LEDランタン(メイン)
● 懐中電灯(移動用)
● ヘッドライト(作業用)
この3つがあれば、
停電は十分に乗り切れます。
■ ろうそくを防災でどう位置付けるか?
● “明かり”としては最終手段
● “ランタンを切らした時の非常用”程度
● 基本的には「装備リストから外す」レベルでOK
安全性と実用性の面で、
現代の防災では LEDが圧勝 です。
■ まとめ
ろうそく × 防災 は、
“絶対に代用してはいけない光源” と理解しておくべき。
- 地震の余震で倒れて火災になりやすい
- 風・接触で炎が暴走しやすい
- 子どもやペットが触れて大火事になる
- 非常時に両手が使えない
- LEDランタンの安全性・実用性が圧倒的に上
ろうそくは、
防災アイテムではなく“雰囲気アイテム” と割り切るのが正解です。

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