【防災士が解説】カラスと防災── 日常の“ちょっとした被害”も立派なリスク。対策で生活を守る

カラスは都会・住宅街に普通にいる鳥ですが、
実は“災害時”だけでなく“平時”でも生活への影響が大きい存在です。

ここでは、
「カラスが増えると何が問題なのか?」
「日常でできる対策は?」
を防災の視点で整理してお届けします。


■ ① ゴミ荒らしは衛生リスクにつながる

カラスがゴミ袋を破ると、
● 生ゴミが散乱
● カラスが集団化
● 衛生悪化
● 悪臭
となり、災害時の“衛生環境悪化”と同じ構造になります。

これを防ぐために:
● ゴミはネットをかける
● 収集日の朝に出す
● 生ゴミは新聞紙で包む

粗雑なゴミ出しがトラブルを呼びます。


■ ② 配電設備・インフラへの悪影響もある

カラスが電柱に巣を作ると
● 停電
● 通信障害
● 火災の原因
になることがあります。

実際に全国で毎年トラブルが発生。

「いつもいるだけの鳥」と侮れません。


■ ③ 子育てシーズンの“威嚇行動”に注意

春〜初夏は繁殖期。
巣の近くを通る人に対し
● 低空飛行
● 大声での鳴き声
● 背後からの威嚇
などを行うことがある。

避ける方法:
● 巣の近くを通らない
● 帽子や傘を使う
● 背中を向けずに離れる

子どもや高齢者を守る行動が大切。


■ ④ 大地震後は“カラスの様子”も情報になる

東日本大震災では
● カラスや動物が一斉に逃げた
● 鳥の鳴き声が変わった
という報告が多数あります。

絶対的な“予兆”とは断言できませんが、
日常から動物の観察をしておくことは、
ひとつのリスク気づきになります。


■ ⑤ カラス対策は「におい・視覚・音」がポイント

家庭でできる対策は主に3つ。


● におい対策

生ゴミを新聞紙で包む
→ においが減り、カラスが寄りにくい。


● 視覚対策

・カラス除けネット
・反射テープ
・目玉模様のバルーン
などの“視覚的に嫌がるアイテム”も有効。


● 音の刺激

カラスは突発的な金属音を嫌う傾向。
ただし、長期的には慣れてしまうため“補助策”。


■ ⑥ 災害時は“食料ゴミ”が狙われやすい

停電・断水が続く災害時は、
住民全体がゴミ管理に困るため
● 生ゴミ放置
● 食材廃棄
● 臭いの強い残り物
が増える。

その結果、
● カラス
● 猫
● イノシシ
などの“動物被害”が一気に強まる。

日頃のゴミ管理が非常に大切。


■ ⑦ カラスと上手に共存することも防災の一つ

カラスは賢い生き物。
人間の行動パターンを素早く覚えるため、
「攻撃する」「追い払う」だけでは逆効果のこともある。

重要なのは:
● 餌場を作らない
● ゴミを荒らされない工夫
● 巣に近づかない

“人側の行動”を見直すことで、実害を大幅に減らせます。


■ まとめ

カラスは災害とは関係ないように見えますが、
実は生活の安心・衛生・安全に直結する身近なリスク。

  1. ゴミ荒らし → 衛生悪化
  2. 電柱の巣 → 停電リスク
  3. 繁殖期の威嚇
  4. 大地震後の動物の異変
  5. におい・視覚・音の対策
  6. 災害時のゴミ問題
  7. “共存する工夫”が最大の防災

日頃の小さな工夫が、
あなたの街の安全を守る大きな一歩になります。

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