【防災士が解説】避難生活が長引くほど「何もしたくなくなる」理由

避難生活が数日、数週間と続くと、
多くの人が口にする言葉があります。

「やらなきゃいけないのは分かっているけど、何もしたくない」

これは怠けでも、気合不足でもありません。
避難という環境が、人の心に与える影響としてとても自然な反応です。


■① 避難生活は「常に気を張る状態」

避難生活では、

・周囲の目を気にする
・生活音に気を配る
・ルールや順番を守る
・次の情報を待ち続ける

といった状態が続きます。

表面上は何もしていなくても、
心は常に緊張しています。

この状態が続くことで、
知らないうちにエネルギーが消耗していきます。


■② 「何もしたくない」は心のブレーキ

避難生活で出てくる
「何もしたくない」という感覚は、

心がこれ以上消耗しないようにかけている
ブレーキのようなものです。

無理に動き続けてしまうと、
体調や判断力に影響が出るため、
心が先に止めに入ります。


■③ 周囲と比べるほど動けなくなる

避難所では、

・自分より元気そうな人
・積極的に動いている人

が目に入りやすくなります。

その結果、
「自分は何もできていない」
「役に立っていない」

と自分を責めてしまい、
ますます動けなくなる悪循環に入ることがあります。


■④ 動けない自分を責めなくていい

避難生活では、
平時と同じ行動力を保つ必要はありません。

・今日は横になっているだけ
・食事を取れただけ
・着替えができただけ

それだけでも十分です。

「何もしたくない」と感じる日は、
心が休もうとしているサインだと受け取ってください。


■⑤ 何もしない時間が回復につながることもある

避難生活では、
常に前向きでいる必要はありません。

何も考えず、
何もしない時間を取ることで、

・緊張が緩む
・感情が落ち着く
・次に動く余力が戻る

ということも多くあります。


■⑥ 小さな行動で十分な日もある

動けない日でも、

・コップ一杯の水を飲む
・深呼吸を一回する
・服を一枚整える

といった、
ごく小さな行動で十分です。

大きな目標を立てる必要はありません。


■⑦ 「動けない日」を想定した防災

防災というと、
行動することばかりが注目されがちです。

しかし実際には、
動けない日が来ることを想定しておく方が、
避難生活は壊れにくくなります。

「今日は何もしなくていい」
そう言える余白を残すことも、
心を守る大切な備えです。

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