【防災士が解説】避難生活で「理由の分からない不安」が強くなる理由

避難生活が続く中で、
はっきりした原因がないのに不安が強くなることがあります。

・急に胸がざわつく
・落ち着かない
・先のことを考えると不安になる

これは気のせいでも、弱さでもありません。
避難という環境が引き起こす、ごく自然な反応です。


■① 不安の正体が見えない環境に置かれている

避難生活では、

・生活の先が見えない
・いつ元に戻れるか分からない
・情報が断片的に入ってくる

といった状態が続きます。

人は「分からない状態」が続くほど、
不安を強く感じるようにできています。


■② 不安は「備えが足りないサイン」ではない

不安を感じると、

「もっと準備すべきだったのでは」
「自分が弱いのでは」

と考えてしまいがちです。

しかし、
避難生活で感じる不安は、
備えの不足を責めるサインではありません。

環境が不安を生み出しているだけです。


■③ 情報を追いすぎるほど不安は増える

避難中は、
新しい情報を求めてスマホを見続けてしまうことがあります。

・復旧の見通し
・被害状況
・先行きの予測

しかし情報が増えるほど、
不安の材料も同時に増えていきます。


■④ 不安は「危険を避けるための反応」

不安は本来、
危険を避けるための大切な感覚です。

ただし避難生活では、
実際の危険と結びつかないまま、
不安だけが残り続けることがあります。

その結果、
常に落ち着かない状態になってしまいます。


■⑤ 不安を消そうとしなくていい

不安を感じると、
「早く消さなければ」と思いがちです。

しかし、
不安を消そうとするほど、
意識は不安に向いてしまいます。

「今、不安を感じている」
と認めるだけでも、
心は少し落ち着きます。


■⑥ 不安を外に出すだけで軽くなることもある

不安は、
解決しなくても言葉にするだけで軽くなることがあります。

・今、何が不安なのか分からない
・理由はないけど落ち着かない

そうした状態でも構いません。

紙に書く、メモする、AIに話す。
外に出すこと自体が、心の整理になります。


■⑦ 不安と共存するという防災の考え方

避難生活では、
不安をゼロにすることは難しいものです。

だからこそ、
不安を抱えたままでも生活できる状態を目指すことが大切です。

無理に前向きにならなくていい。
不安があっても大丈夫な時間を持つこと。

それも、
心が壊れないための大切な備えです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました