■① 能登半島の地形と地震の関係
石川県能登半島の海岸線は、大地震のたびに隆起を繰り返しており、「海成段丘」という地形で確認できます。
海成段丘とは、波の浸食で平らになった海底が大地震により持ち上がり、陸上に階段状に現れた地形です。
2024年元日に発生したM7.6の地震により、再び海岸線が隆起しました。
■② 幻の長期評価と過去の津波調査
産業技術総合研究所の宍倉正展・総括研究主幹は、東日本大震災の経験から地震の長期評価に苦い思いを抱いています。
- 東北地方の津波堆積物から約500~800年おきに巨大津波が発生していたことを確認
- 研究成果は政府の地震調査委員会「長期評価」に反映されたが、表現の修正要求により事前公表は遅れた
- 結果として「幻の長期評価」と呼ばれる状況に
■③ 能登半島での再現
宍倉氏らは2007年から能登半島を調査し、以下を確認しました。
- 現在の海水準以降、6000年間で高さ7メートルの海成段丘が3段形成
- 過去に少なくとも3回の大地震で数メートルの隆起が発生
- 数メートル規模の段丘は国内でも珍しく、1923年関東大震災や1703年元禄関東地震に匹敵
M7未満の地震では数十センチの隆起にとどまり、段丘は形成されなかったことから、さらに大きな地震が発生する可能性が示唆されます。
■④ 次に警戒すべき場所
- 海成段丘の形成エリアは、将来の巨大地震の発生リスクが高い
- 過去の能登半島地震と東日本大震災の津波堆積物の一致からも、再現性が高いと判断
- 研究チームは現在、新たな論文で次の大地震発生の可能性を検討中
能登半島の地形と過去の地震活動を理解することで、防災計画や避難対策の優先順位を検討することができます。
海成段丘は、次の巨大地震に備えるための重要な指標の一つです。

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