【防災士が解説】ハリケーンとは?日本の台風とどう違う? 破壊力・特徴・備えをやさしく解説

北米や中南米で毎年猛威をふるう ハリケーン(Hurricane)
名前はよく聞くけれど、日本の「台風」とは何が違うのか?
どれくらい危険なのか? をまとめて解説します。


■ ハリケーンとは?

北大西洋・カリブ海・メキシコ湾で発生する “熱帯低気圧の巨大な渦” のこと。

実は…

🌪 日本の台風と“同じ種類の現象”

呼び方が違うだけで仕組みは同じ。

● 日本付近 → 台風(Typhoon)
● 北大西洋・カリブ海 → ハリケーン(Hurricane)
● インド洋・南太平洋 → サイクロン(Cyclone)

全て 熱帯低気圧の発達したもの を指します。


■ ハリケーンの特徴(台風よりも強烈といわれる理由)

▼ ① 海水温が高い海域で発達しやすい

カリブ海は非常に暖かい海水が広がり、
台風より発達しやすい条件がそろっている。

▼ ② 巨大化しやすい

最大直径は 1,000km以上

▼ ③ 風速が桁違い

アメリカのSaffir-Simpson(サファー=シンプソン)基準では…

カテゴリー5(最強)
→ 風速70m/s以上(日本でいう猛烈な暴風)

建物を破壊し、車が飛ぶレベル。

▼ ④ 暴風と高潮の複合災害

沿岸部は「高潮+高波+暴風」で一気に浸水。


■ 世界で甚大な被害が出る理由

▼ ① 人口の多い沿岸都市を直撃

例:ヒューストン、ニューオーリンズ、マイアミなど。

▼ ② 広大な平野で水が引きにくい

内陸部まで浸水が広がりやすい。

▼ ③ インフラ被害が巨大

電柱・送電網が倒れると 数百万世帯が停電

▼ ④ 経済損失が甚大

1つのハリケーンで 数兆円規模 の損害になることも。


■ ハリケーンの危険性(わかりやすく)

● 建物が壊れるレベルの暴風
● 車が横転・飛ばされる
● 巨大な高潮による浸水
● 港湾・海岸の大破壊
● 土砂災害・河川氾濫も発生
● 長期間の停電

日本の台風より“規模が1段階上”という印象。


■ ハリケーンと台風の主な違い

比較台風(日本)ハリケーン(米国)
発生海域西太平洋北大西洋・カリブ海
等級風速で分類(日本)1〜5のカテゴリー
巨大化あり特に起こりやすい
進路日本列島を北上カリブ海沿岸を北上

※ 現象としては同じ気象災害。


■ “ハリケーン級の台風”は日本でも起こる?

はい、可能です。

海水温の上昇により、
日本でも カテゴリー4〜5級の勢力 を持つ台風が珍しくなくなってきています。


■ ハリケーンから命を守るポイント(日本でも応用できる)

▼ ① 早期避難がすべて

暴風域に入ってからの移動は危険。

▼ ② 高潮の恐れがある海沿いは厳重警戒

沿岸部の浸水は最も死亡率が高い。

▼ ③ 家の補強が必須

・窓ガラスの飛散防止フィルム
・雨戸
・屋根瓦の点検
・植木鉢の片付け

▼ ④ 停電対策

長期停電に備えて…

● モバイルバッテリー
● ランタン
● 飲料水
● 充電ケーブル
● カセットコンロ

は必ず準備。


■ まとめ

ハリケーンは、
台風と同じ種類の巨大な熱帯低気圧だが、規模がより大きく発達しやすい のが特徴。

・カテゴリー5は風速70m/s超え
・高潮が非常に危険
・停電が長期化しやすい
・日本でも“ハリケーン級の台風”は発生し得る

気候変動が進む今、
日本に住む私たちも「ハリケーン規模の暴風災害」を想定して備えることが大切です。

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