地震のニュースで必ず出てくる
震度 と マグニチュード。
よく似た言葉ですが、全く違う意味を持つ指標です。
防災士として、生活者が必ず知っておくべき “揺れの基礎知識” をわかりやすく解説します。
■ 震度とは?(人や建物がどれくらい揺れたか)
震度とは…
「ある場所で感じた揺れの強さ」 を表す指標。
ポイントは…
● 地域ごとに異なる
● 観測地点ごとに数値が決まる
● 日本独自の指標
● 0~7の10段階
● “体感”と“建物被害”に直結する
たとえ同じ地震でも、
震源に近い場所は震度6弱、
離れた場所は震度3…ということが普通。
▼ 震度の主な目安
・震度3:吊り下げ照明が揺れる
・震度5弱:食器棚の物が落ちる
・震度6弱:立っていられない
・震度7:耐震化されていない家が倒壊の恐れ
■ マグニチュードとは?(地震そのものの規模)
マグニチュードとは…
「地震が放出したエネルギーの大きさ」 を表す指標。
ポイントは…
● 地震全体の大きさ(エネルギー量)
● 地震は1つでも、震度は複数
● 数字が1増えるとエネルギーは約32倍
● 世界共通の指標(Mwが主流)
例)
M7.0とM6.0の違いは「数字1」ではなく
エネルギー32倍の差 になる。
■ 震度とマグニチュードは“全く違う指標”
| 内容 | 震度 | マグニチュード |
|---|---|---|
| 意味 | 揺れの強さ | 地震の規模 |
| 基準 | 観測地点ごと | 地震全体 |
| 数値 | 0〜7 | 無限(上限なし) |
| 関係性 | 同じ地震でも場所で変わる | 地震ごとに1つ |
例:
「M7.3の地震が発生 → 震度6強を観測」
というように、セットで使われる。
■ よくある誤解
❌ 「震度7=マグニチュード7」
→ 完全に別物。
❌ 「マグニチュードが大きいほど震度も必ず大きい」
→ 震源の深さ・距離・地盤で震度は変わる。
❌ 「震度が高い地域=震源地」
→ 違う。
例:硬い地盤は揺れにくく、震源近くでも震度が低いことがある。
■ 実際の地震で見ると理解しやすい
▼ 2011年 東日本大震災
・マグニチュード9.0
→ 史上最大級の規模
・震度は6弱〜7が広範囲で発生
→ 破壊的な揺れ
▼ 2016年 熊本地震
・マグニチュード6.5(前震)
・同 7.3(本震)
→ 規模は東日本よりは小さいが
震度は“最大7”で甚大な被害。
■ 防災士としてのアドバイス
▼ 震度を見る理由 → “自分の場所の危険度”
● 家が倒れるか?
● ケガするか?
● 避難の判断に直結する。
▼ マグニチュードを見る理由 → “災害の広がり”
● 広域停電の可能性
● 余震の規模
● 国レベルの被害規模を判断
どちらも“命を守るために必要な情報”。
■ まとめ
震度とマグニチュードは…
震度:揺れの強さ(地域別)
M:地震の規模(エネルギー)
同じ地震でも震度はバラバラで、
マグニチュードは1つ。
これを知るだけで、
ニュースの地震速報が“正しく理解できる情報”に変わります。

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