【元消防職員・防災士】
大きな災害が起きたとき、避難所に行くことだけが「避難」ではありません。
実は、近年の防災で重視されているのが 「在宅避難」 です。
✔ 自宅が安全に使える
✔ 水・食料が確保できる
✔ 電気やガスが止まっても生活できる
この条件が整っていれば、避難所へ行かず、自宅で生活を続ける避難方法が「在宅避難」です。
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なぜ在宅避難が重要なのか?
避難所は命を守るための場所ですが、
実際には「全員が入れる」わけではありません。
✔ 収容人数に限りがある
✔ プライバシーがない
✔ 仮眠・トイレ・衛生状態が悪化することも
✔ 小さな子ども・高齢者はストレスが大きい
そのため、自宅が安全なら在宅避難の方が健康的・安心という考えが広がっています。
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在宅避難ができる条件
以下の3つが揃えば可能です。
- 家が倒壊・浸水の心配がない
- 食料・水が数日〜1週間以上ある
- 電気・ガス・水道が止まっても生活できる準備がある
特に地震では、建物が無事なら多くの人が在宅避難を選びます。
マンションと戸建てで違う対策ポイント
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マンションの在宅避難
✅ メリット
✔ 高所なので浸水の可能性が低い
✔ コンクリート構造で耐震性が高い
✔ 風雨の被害を受けにくい
✅ 注意点
⚠ 停電でエレベーター停止
⚠ 水道が止まると上層階は断水しやすい
⚠ ゴミ処理ができず衛生悪化
【備えるもの】
✔ ペットボトル水(最低3日分、できれば7日分)
✔ 簡易トイレ(凝固剤タイプ)
✔ ソーラー充電器・モバイルバッテリー
✔ レトルト食品・缶詰・パン缶
✔ ウェットティッシュ・消毒・ポリ袋
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戸建ての在宅避難
✅ メリット
✔ 収納が多いので備蓄しやすい
✔ エレベーター問題がない
✔ 近隣と助け合いやすい
✅ 注意点
⚠ 津波・河川氾濫・土砂災害の危険地域の場合は在宅不可
⚠ 家具倒壊リスク
⚠ 停電や断水への備えが必要
【備えるもの】
✔ 飲料水+生活用水(浴槽に貯める)
✔ カセットコンロ・ガス缶
✔ ストーブ(冬場)
✔ 簡易トイレ
✔ 充電器・ラジオ・乾電池
✔ 食料1週間分
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自宅の安全チェックポイント
✅ ① 建物が安全か?
・ひび割れ、傾き、浸水・土砂災害エリアか
・耐震診断の有無
・マンションは管理会社の耐震基準も確認
✅ ② 家具の固定
・食器棚・冷蔵庫・本棚は転倒防止
・寝室には大きな家具を置かない
・テレビはチェーン固定
→ 地震でケガする最大の原因は「家具の転倒」です。
✅ ③ 水と食料
・最低 大人1人・3日分(理想は1週間)
・水は1日3L × 家族人数
・レトルト・缶詰・アルファ米を組み合わせる
✅ ④ トイレ対策
災害で最も困るのは水より「トイレ」。
✔ 簡易トイレ(凝固剤+袋)
✔ 1人1日5回 × 家族人数 × 日数
→ 3日分でも15〜20回分は必要!
✅ ⑤ 情報収集ツール
・スマホ
・モバイルバッテリー
・ソーラー発電機
・乾電池式ラジオ
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在宅避難の流れ(分かりやすい手順)
- 建物の安全を確認
倒壊・火災・津波・土砂の危険がなければ在宅OK - 断水に備えて水を確保
・ペットボトル
・浴槽に生活用水を貯める(流す・食器洗い用) - 食料を取り出しやすい場所へ
- トイレ準備
水が止まったら絶対流さない(配管が壊れて逆流リスク) - 情報収集(テレビ・ラジオ・防災アプリ)
・「まもるくん(福岡)」
・「キキクル」
・「NHKニュース・防災アプリ」 - 近所・家族と連絡を取る
安否確認で安心感が増える
✅ まとめ:自宅が安全なら「在宅避難」がベストな選択肢
✔ 自宅の方が落ち着いて生活できる
✔ 高齢者・子ども・ペットでも安心
✔ 食料・トイレの準備があれば長期生活も可能
避難所は命を守る大切な施設ですが、
全員が避難所へ行かないといけない時代ではありません。
自宅が安全であれば、
「在宅避難」という選択肢があなたの家族を守ります。
今日できることは、
✅ 3日分の水
✅ 簡易トイレ
✅ レトルト食品
これだけでも大きく前進です。

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