日本で発生する地震の中でも、
最も「突然・強烈」で被害が大きくなりやすいのが
直下型地震（ちょっかがたじしん） です。
阪神・淡路大震災、熊本地震もこのタイプ。
防災士としてポイントを整理して解説します。
■ 直下型地震とは？
震源が非常に浅く、あなたの住む地域の“真下に近い場所”で起きる地震。
● 震源の深さが 0〜20km と浅い
● 揺れが突然ドン！と襲う
● 局地的でも破壊力が大きい
● 断層型地震とほぼ同義
揺れの到達が速いため、
「地震だ！」と思った瞬間にはもう大揺れになっている。
■ なぜ被害が大きくなるのか？
▼ ① 震源が近いからエネルギーがそのまま届く
揺れがほとんど減衰しないため、
震度6強〜7の強烈な揺れが一気に襲う。
▼ ② 家屋倒壊が発生しやすい
特に旧耐震（1981年以前）の木造は危険。
▼ ③ 逃げる時間がほとんどない
津波地震のような“数十秒後”ではなく、即大揺れ。
▼ ④ 断層のズレで地面が破壊される
道路、線路、ガス管、電柱が大きく損壊。
■ 過去の主な直下型地震
● 阪神・淡路大震災（1995）震度7
● 熊本地震（2016）震度7が2回
● 新潟県中越地震（2004）
● 長野県神城断層地震（2014）
● 佐渡地震、福井地震 など
いずれも局地的でも壊滅的な被害。
■ 直下型地震の揺れの特徴
● “突き上げる縦揺れ”が強い
● 大きな横揺れも続く
● 家具が飛ぶ
● 固い地盤でも強烈に揺れる
建物の内部被害が特に大きくなる傾向。
■ 防災士がすすめる対策
▼ ① 家具の固定は「必須」
直下型地震は“家具転倒による圧死”が最も多い。
● L字金具
● 突っ張り棒
● ストッパー
● 食器棚の耐震ラッチ
これだけで生存率が劇的に上がる。
▼ ② 寝室の安全化
直下型は夜間に起きると最も危険。
● ベッド横に重い家具を置かない
● 枕元に靴
● 割れたガラス対策に厚手のカーテン
▼ ③ 古い家は耐震診断を検討
直下型は「住宅の耐震性能」が命を分けるため重要。
▼ ④ 初動は“姿勢を低く・頭を守る”
● 机の下
● クッションで頭を保護
● 揺れが収まるまで動かない
瞬間的に強い揺れが来るため、反射的行動が命を守る。
▼ ⑤ 避難経路を常に確認しておく
塀が倒れる、道路が波打つなど、
地表の破壊が大きいのが直下型。
■ まとめ
● 直下型地震＝震源が浅い・真下に近い地震
● 揺れが「突然」「強烈」
● 家具転倒・家屋倒壊が特に危険
● 夜間は要注意
● 家具固定と耐震化が最大の命綱
直下型地震は“今日いきなり起きる”可能性があります。
備えをしている人と、していない人では、
助かる確率が大きく変わります。
今日から自宅の安全化をぜひ進めてください。
コメント