地震速報や専門情報で出てくる
震源域(しんげんいき) という言葉。
「震源と何が違うの?」
「聞き慣れないけど重要なの?」
という方のために、防災士としてわかりやすく説明します。
■ 震源域とは?
地震が発生した領域(範囲)のこと。
震源=“点”
震源域=“面・範囲”
というイメージ。
地震は一点だけでなく、
断層やプレート境界など ある程度の広さを持つ場所 が動いて起きるため、
その広がり全体を「震源域」と呼ぶ。
■ なぜ震源ではなく“震源域”が重要なのか?
▼ ① 大地震は“一点”ではなく“広い範囲”が同時に動く
深さ・長さ・幅のある断層面が一気にズレる。
▼ ② 震源域が広いほど地震は巨大になる
→ M8〜9クラスの南海トラフは数百kmの範囲が動く。
▼ ③ 被害が広域化しやすい
揺れが届く範囲が大きくなる。
■ 震源と震源域の違い
| 用語 | 説明 |
|---|---|
| 震源 | 地震エネルギーが発生した“最初の点” |
| 震源域 | 断層やプレートが動いた“全体の範囲” |
例えば南海トラフ地震の震源域は
● 四国沖〜紀伊半島沖〜静岡沖まで
数百kmに及ぶ。
■ 震源域が広い地震の特徴
● マグニチュードが非常に大きい
● 長周期の揺れが発生しやすい
● 広範囲で震度6〜7の強い揺れ
● 津波の発生リスクが高い
● 余震域も広がる
東日本大震災も、
宮城沖〜福島沖〜岩手沖まで非常に広い震源域だった。
■ 震源域は“余震範囲”とほぼ一致する
大きな地震の後は、
その震源域全体で余震が続く。
● 熊本地震では、布田川断層帯〜日奈久断層帯全体が余震域
● 東日本大震災では、震源域全体が数年揺れ続けた
震源域が広いほど、余震も長期化する特徴がある。
■ 防災士がすすめる備え
▼ ① 巨大地震の前兆では“震源域拡大”に注目
小さな地震が同じ範囲で連続する場合、
大規模地震が誘発される可能性がある。
▼ ② 南海トラフは“複数震源域”が連動する
東海・東南海・南海が同時に動くと巨大化。
▼ ③ 震源域情報は余震対策に役立つ
どの地域に余震が続くか予測しやすい。
▼ ④ 内陸地震でも断層が長いほど危険
直下型の震源域は短くても破壊力が大きい。
■ まとめ
● 震源=地震が起きた点
● 震源域=動いた範囲
● 震源域が広いほど巨大地震になりやすい
● 余震域も広がり、長期化する
● 南海トラフや東日本大震災は典型例
“震源域”を理解すると、
地震速報や専門情報の意味が深くわかり、
備えるべきポイントもより正確になります。

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