日本の活火山には、
火山噴火警戒レベル(1〜5) が指定されています。
これは、
「どのくらい危険か?」
「どの範囲で避難が必要か?」
をわかりやすく伝える公式指標です。
防災士として、最もシンプルに解説します。
■ 火山噴火警戒レベルとは?
気象庁が発表する
火山活動の状況と取るべき防災行動を示す情報。
数字が上がるほど危険が大きく、
避難対象範囲も広がる。
■ レベル1〜5の意味(超わかりやすく)
▼ レベル1:活火山であることに留意
● 平常時
● 火口周辺規制はない
● 観光も可能だが、火山は常に生きていると意識
→ 霧島山・浅間山など、多くの火山が該当
▼ レベル2:火口周辺規制
● 火口に近づくのが危険
● 登山道の一部が通行不可
● 噴石・小規模噴火の可能性
例:火口から1km以内は立入禁止など。
▼ レベル3:入山規制(居住エリアは原則安全)
● 山の中腹より上への立入禁止
● 大きめの噴石や火砕流の危険
● 登山・観光は中止
● 火山周辺の道路も通行規制されることあり
→ 霧島・浅間山で発表されたケースあり
住民の避難までは必要ない段階。
▼ レベル4:高齢者等避難
● 噴火の可能性が非常に高い
● 火砕流や大きな噴石が麓まで及ぶ可能性
● 災害弱者(高齢者・障害者)は避難開始
● 一般住民もいつ避難になっても対応可能に
※ 自治体から避難指示準備情報が出る段階。
▼ レベル5:避難(危険な居住地域)
● 噴火が発生、または切迫
● 火砕流・大きな噴石が住民地域へ
● 住民全員が避難
● 最大レベルで最も危険
→ 2015年の口永良部島噴火で避難が発令
■ レベルの意味は「距離」とセットで考える
同じレベルでも、火山ごとに…
● 火口から何kmが危険か
● どの地域が避難対象か
は異なる。
必ず自治体のハザードマップで確認。
■ レベルが上がると何が起きる?
● 道路封鎖
● 登山道閉鎖
● 学校の休校
● 観光停止
● 交通・物流への影響
● 住民避難(レベル4〜5)
火山灰・火山ガス・噴石などのため。
■ どれくらいのスピードで上がるの?
火山によっては、
レベル1 → 3 → 5 と“一気に上がる”こともある。
御嶽山(2014)は事前レベル引き上げが間に合わず、
多くの犠牲者が出たケース。
だからこそ、
火山は「急に噴く」ものとして備える ことが重要。
■ 防災士がすすめる避難の目安
● レベル3:登山は必ず中止
● レベル4:家族で避難準備
● レベル5:即避難(ためらわない)
特に旅行や登山では、
レベル情報をこまめに確認する習慣が命を守る。
■ まとめ
● 火山噴火警戒レベル=火山の危険度を示す指標
● レベル1〜5で避難行動が決まる
● レベル3以上はアクセスが多く制限
● レベル4は災害弱者の避難
● レベル5は全住民避難
● 火山は「いつ噴火してもおかしくない」という前提で行動
火山のそばに住む人も、旅行に行く人も、
レベルの意味を理解しておくことが安全につながります。

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