地震に地震速報があるように、
火山には 「火山情報(かざんじょうほう)」 があります。
これは気象庁が発表する
火山活動に関するすべての公式情報 で、
噴火の前兆から避難レベルまでをまとめて知らせるものです。
防災士として、最もわかりやすく説明します。
■ 火山情報とは?
気象庁が火山の活動を評価し、
危険度・噴火兆候・避難の必要性 を知らせる情報。
火山噴火警戒レベル(1〜5)の根拠になるのも、この火山情報。
■ 火山情報の種類(重要なものだけ絞って解説)
火山情報は多くありますが、
一般の方に特に重要なのはこの5つ。
① 噴火警報
→ 噴火が発生 or 迫っている
→ 火口周辺規制・入山禁止・避難など
最も緊急性が高い。
② 噴火予報
→ 今は落ち着いているが火山は生きている
→ レベル1に相当
→ 危険が少ない状態でも注意喚起として発表
日常チェックで安心材料にもなる。
③ 火山の状況に関する解説情報
→ 火山の地震回数
→ 噴煙の高さ
→ 火山ガス(SO₂)量
→ 地殻変動(山の膨らみ)
→ 噴火の兆候・前兆の分析
専門家の分析がそのまま公開される、一番わかりやすい資料。
④ 火山観測データ
→ 24時間体制で計測しているデータの速報
→ 地震計、傾斜計、GPS、SO₂濃度など
普段のニュースの裏で、これらが全て監視されている。
⑤ 火口周辺警報・居住地域警報
→ どの範囲が危険か
→ 回避すべき区域
→ 避難の必要性
「どこまで入っていいか」「どこが危ないか」を示す。
■ 火山情報は誰が・どうやって監視している?
● 気象庁(火山監視・警報センター)
● 地震研究所・大学
● 自治体の火山観測網
● 地熱研究所
これらが協力し、火山の下で起きている変化を24時間監視している。
■ 火山情報が出ると何がわかる?
● 今の火山の状態(平常・活発・噴火直前)
● これから上がる可能性のある警戒レベル
● 噴火した場合の影響範囲
● 火山灰の予測
● 火山ガスの量
● 住民が避難すべきかどうか
防災計画の“根拠データ”になる情報。
■ 火山情報とレベルの関係
火山噴火警戒レベルは
火山情報をもとに判断される。
● レベル1=噴火予報
● レベル2〜3=火口周辺警報
● レベル4〜5=居住地域警報
という対応関係。
■ 防災士がすすめる使い方
▼ ① 登山・旅行前に必ずチェック
「平常」なのか「レベル2」なのかで、登山計画は大きく変わる。
▼ ② 災害時は“風向き”もセットで見る
火山灰は100km以上飛ぶため、
火山から離れていても被害を受けることがある。
▼ ③ 火山ガスの増加は要注意
噴火より先にガス濃度が上がることが多い。
▼ ④ 子ども・高齢者の外出を控える判断材料にも
特に火山灰が予想されるときは重要。
■ まとめ
● 火山情報=火山活動全体を知らせる公式情報
● 警報・予報・観測データ・解説がセット
● 警戒レベル(1〜5)の根拠になる
● 噴火の兆候を知る重要なデータ
● 登山・旅行・住民避難の判断に役立つ
火山の多い日本では、
火山情報を理解することが「命を守る基本知識」の一つです。

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