火山噴火で突然飛び散る 噴石(ふんせき)。
実は、火山災害の中でも「もっとも予測しづらく致命的」な現象です。
登山中・観光中・自宅周辺のどれであっても、
噴石は“数百メートル〜数キロ”も飛ぶため、
直接の衝突で命を落とすケースも多い危険な災害。
ここでは噴石の仕組み・被害・避難方法をわかりやすく解説します。
■ 噴石とは?
火山の噴火で、
マグマ・ガスの爆発によって、岩や溶岩片が空中へ飛び散る現象。
● 大きさ:砂粒〜自動車サイズまで
● 飛距離:100〜2,000m以上
● 温度:高温のものは数百℃
● 速度:秒速数十m(避けるのはほぼ不可能)
“飛んでくる火山災害”と考えるとイメージしやすい。
■ 噴石の種類は主に3つ
▼ ① 巨大噴石(大型ブロック)
人の頭〜車ほどの大きさ
→ 近距離なら致命的
▼ ② 中小噴石(軽石・スコリア)
数cm〜数十cm
→ 頭部・体への衝撃で重傷になりやすい
▼ ③ 微細な火山灰
空気中に滞留し、視界不良・吸入リスクが高い
→ 長時間の影響が残る
■ 噴石が危険な理由
▼ ① 予測困難で突然襲う
噴火直前の兆候が分かりにくい場合、登山者が被害に。
▼ ② 飛ぶ方向が読めない
風向きだけでは判断できず、広範囲へ飛散する。
▼ ③ 高速で衝突し避けられない
全力疾走より速く、視認してから逃げるのは不可能。
▼ ④ 建物の屋根を突き破ることも
巨大噴石は瓦屋根程度であれば容易に貫通。
■ 過去の被害例
● 御嶽山噴火(2014)
突発的な噴火で多数の登山者が噴石被害に。
● 三宅島
噴火時、住宅に噴石が突き刺さった例が多数。
噴石は“登山者だけのリスクではない”。
■ 噴石の危険区域
火山には「噴火警戒レベル」とともに
噴石の到達範囲が地図で示されている。
・レベル3:入山規制
・レベル4:避難準備
・レベル5:避難
噴石リスクが高い場合は火口周辺への立入が禁止される。
■ 噴石から身を守る行動
▼ ① 立入禁止は絶対に守る
火山の“近さ”はリスクそのもの。
▼ ② ヘルメット・帽子を活用
登山中は必須レベル。
正面よりも頭頂部への衝撃が危険。
▼ ③ 建物の陰に隠れる
噴火が起きたら、
窪地・岩の陰・鉄筋建物の裏側へ避難。
▼ ④ 斜面を横に移動して距離を取る
火口方向から最速で離れる。
▼ ⑤ 火山灰はタオル・マスクで防ぐ
灰は吸い込むと呼吸器に悪影響。
■ 家族でできる備え
● 火山周辺に住む人は“噴石の到達範囲”の確認
● 登山前に噴火警戒レベルを必ずチェック
● 防災アプリ(キキクル・噴火情報)で最新確認
● ヘルメット・厚手の手袋・ゴーグルを登山装備に追加
● 灰が住宅に積もることを考え、雨樋や排水口の管理
■ まとめ
● 噴石は“最も突然襲う火山災害”
● 大きさは砂粒〜車サイズ、飛距離は数km
● 予測が難しく、避けることもできない
● 登山者だけでなく麓の住民も油断は禁物
● 防災アプリやハザードマップの確認が命を守る鍵
火山の美しさの裏には、噴石のような突発リスクが潜んでいます。
正しい知識と行動が被害を最小限にします。

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