火山活動を理解するうえで欠かせないのが 火山性地震。
「地震」と聞くとプレートが動く一般的な地震を思い浮かべますが、
火山性地震は 火山の内部で起こる特別な地震 です。
噴火の前兆として現れることが多く、
火山防災では最重要クラスの情報になります。
ここでは、火山性地震の種類や特徴、
どんなときに噴火につながるのかをわかりやすく解説します。
■ 火山性地震とは?
火山内部で
マグマや火山ガスが移動することで起こる地震 のこと。
プレート型地震とは発生メカニズムがまったく違う。
■ 火山性地震の3つの種類
▼ ① 火山性微動
時間が長く続く「揺れ」。
ドドドド…と連続する振動のように記録される。
→ 噴火直前に発生しやすい重要なサイン
▼ ② A型地震(破砕型地震)
マグマが岩盤を割って上昇するときに発生する地震。
規模がやや大きく、地震波形が一般的な地震に似ている。
→ マグマが“動き始めた”証拠
▼ ③ B型地震(低周波地震)
マグマやガスが狭い通路を通るときに発生。
ゆっくりした独特の振動が特徴。
→ 噴火の準備が進んでいるサイン
■ 火山性地震が増えると何が起こる?
▼ ① マグマの上昇
回数が増えると、火山内部でマグマが動き出している可能性。
▼ ② 地熱活動の活発化
温泉や噴気の量が増えることも。
▼ ③ 噴火の前兆
火山性微動が連続する場合、噴火直前のことが多い。
■ 火山性地震=必ず噴火?
→ NO。
火山によっては、
地震が増えても噴火しないケースも多い。
しかし “増え続ける” または
“火山性微動が発生する” 場合は要警戒。
■ 過去の事例
● 御嶽山(2014)
噴火の直前に火山性微動を観測。
● 新燃岳
A型地震が急増し噴火へ移行。
火山性地震は噴火前の典型的なシグナルとして扱われる。
■ 火山周辺の住民が知っておくべきこと
▼ ① 火山性地震の“回数変化”を見る
1回より「今日は10回に増えた」が重要。
▼ ② 気象庁の火山情報を確認
噴火警戒レベルの判断材料にもなる。
▼ ③ 登山計画は最新情報を必ずチェック
地震が増えている火山は危険度が高い。
▼ ④ 立入規制エリアの拡大に注意
火口周辺は突然規制されることもある。
■ 登山者向けの対策
● 火山情報の事前チェック
● 入山規制の確認
● 気象庁の「火山活動状況」を事前に把握
● 火山性地震が増えている場合は登山中止も選択肢
■ 家庭でできる備え
● 火山灰対策グッズ
● 非常用持ち出し袋
● 在宅避難に備えた備蓄
● ライフライン停止に備えた準備
● 避難先の確認(火山活動は長期化することがある)
■ まとめ
● 火山性地震は“マグマやガスが動くサイン”
● A型・B型・微動の3種類
● 増加・連続微動は噴火の前兆になりやすい
● 噴火しない場合もあるが、警戒を緩めるのは危険
● 火山周辺の住民・登山者は情報チェックが命を守る鍵
火山性地震は、
噴火のリスクをいち早く知らせてくれる重要なシグナル。
正しい情報を日ごろから確認し、安全対策につなげましょう。

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