首都直下地震は、大都市圏に甚大な被害をもたらす可能性があります。新たな被害想定や減災対策の重要性について、防災士の視点から解説します。
■① 首都直下地震の発生確率と想定被害
政府の有識者会議によると、マグニチュード7級の首都直下地震は30年以内に70%程度の確率で発生するとされています。最悪の場合、死者は1万8000人に達する可能性があります。建物の耐震化や防火対策の進展で死者数は減少していますが、目標にはまだ届いていません。
■② 火災による被害が課題
首都直下地震では、死者の約3分の2が火災によるものとされます。木造住宅密集地域の解消や道路拡幅、建て替え費用の助成などの取り組みが進められていますが、個人の財産権も関わるため、進捗は容易ではありません。
■③ 感震ブレーカーの設置で被害軽減
揺れを感知して自動で電気を止める感震ブレーカーを100%設置すれば、建物焼失棟数は7割減と試算されています。現在は設置率約20%のため、大幅な普及が必要です。
■④ 避難所環境の改善が急務
発災2週間後、最大410万人が避難所に身を寄せると想定されています。生活物資の備蓄状況の確認や、避難所の快適性向上が不可欠です。雑魚寝や十分な食事が取れない状況が続くと、疲労やストレスから災害関連死のリスクが高まります。
■⑤ 高齢者の在宅避難対策
避難所に入れない可能性が高い地域では、自宅での「在宅避難」が推奨されています。特にタワーマンションの高層階では移動が困難なため、日常から食料・水・簡易トイレなどの備蓄を整えておくことが重要です。
■⑥ 生活インフラ途絶への備え
生活インフラが長期間途絶する事態や、救援物資が届かないケースも想定されます。住民一人一人が、自らの命を守るための備えを習慣化する必要があります。
■⑦ 社会機能への影響
官庁や企業の本社が被災して機能が制約されると、影響は全国に及びます。減災対策の強化は国や自治体の責務であり、企業や個人も防災計画を日常的に整備することが求められます。
■まとめ|首都直下地震に備える
首都直下地震では、建物の耐震化・火災対策・避難所環境・在宅避難・生活インフラの途絶への備えが不可欠。住民一人一人が自律型避難と備蓄を意識することで、被害の軽減につながる。
防災士として現場経験を踏まえると、避難所や自宅での準備が命を守る最も基本的な手段である。

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