災害時、
同じ環境にいても
女性のほうが早く疲れ切ってしまうケースを
被災地で何度も見てきました。
それは体力の問題ではなく、
負担の質と重なり方に理由があります。
現場で感じた実情を整理します。
■① 役割が無意識に集中しやすい
避難所では、
食事、子どもの世話、周囲への気配りなど、
目に見えない役割が
自然と女性に集まりやすくなります。
頼まれていなくても動いてしまうことが、
疲労を蓄積させます。
被災地では、
「気づいたらずっと動いていた」
という女性が非常に多くいました。
■② 常に「周囲」を気にしている
女性は、
音、視線、匂い、空気感など、
環境への感受性が高い傾向があります。
これにより、
常に緊張状態が続き、
休んでいるつもりでも脳が休まりません。
■③ 我慢を前提に行動してしまう
「自分は後でいい」
「大したことじゃない」
この思考が積み重なると、
疲労や体調不良が表に出る頃には
限界を超えていることがあります。
被災地では、
倒れてから初めて
周囲が気づいたケースもありました。
■④ 睡眠の質が大きく下がる
女性は、
環境音や光に敏感なため、
避難所での睡眠の質が下がりやすくなります。
眠れていない状態が続くと、
疲労回復が追いつきません。
■⑤ 清潔・着替え問題が地味に効く
着替えられない、
体を洗えない状況は、
少しずつ心身を削ります。
「汚れている感じ」が続くこと自体が、
疲労感につながります。
■⑥ 感情を出す場が少ない
弱音を吐く、
愚痴を言う、
泣く。
こうした行動を我慢すると、
心の疲れが蓄積します。
被災地では、
話せる相手がいる女性ほど、
回復が早い傾向がありました。
■⑦ 「休んでいい」と思えない心理
女性は、
休むことに罪悪感を持ちやすい傾向があります。
しかし、
休めない状態が続くほど、
疲労は一気に表面化します。
■⑧ 疲れやすさは弱さではない
避難生活で女性が疲れやすいのは、
努力不足でも体力不足でもありません。
役割・気配り・我慢が重なった結果です。
被災地で実感したのは、
「早めに疲れを認めた人ほど、長く安定していた」
という事実でした。
避難生活で疲れやすい理由を知ることは、
自分を守る第一歩です。
「疲れている」と自覚することは、
怠けではなく防災行動です。
女性の防災では、
疲れを前提にした備えと判断が欠かせません。

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