【防災士が解説】防災×女性|女性の声が防災に活かされにくい理由

災害が起きるたびに、
「女性の困りごとが後から分かる」
という状況が繰り返されています。
被災地では、
声は確かにあったのに、届いていなかった
という場面を何度も見てきました。
なぜ女性の声は防災に活かされにくいのか、その構造を整理します。


■① 声を上げる前に「我慢」が入る

女性は、
困っていてもすぐに声を上げません。
「今は非常時だから」
「後でいい」
と自分を後回しにします。
この我慢が、
問題の可視化を遅らせます。

被災地では、
体調を崩して初めて
「実は困っていた」と分かるケースが多くありました。


■② 小さな困りごととして扱われやすい

生理、下着、着替え、
夜の不安、プライバシー。
これらは、
緊急性が低いと判断されがちです。
しかし実際には、
生活とメンタルに直結する重要な要素でした。


■③ 防災の意思決定に女性が少ない

防災計画や避難所運営の場では、
意思決定層に女性が少ない現実があります。
その結果、
女性特有の視点が
最初から反映されにくくなります。


■④ 「家庭の問題」として処理される

女性の困りごとは、
家庭内で何とかするもの
という扱いを受けやすい傾向があります。
被災地では、
家庭そのものが機能していない状況も多く、
この前提が女性を孤立させていました。


■⑤ 数値化されにくく評価されない

女性の困りごとは、
数字や被害件数として表れにくいものが多くあります。
そのため、
支援や対策の優先順位が下がりやすくなります。
しかし、
見えにくい負担ほど長期的な影響が大きいのが現実です。


■⑥ 声を上げる=わがままという誤解

被災地では、
声を上げた女性が
「要求が多い」「自己中心的」
と受け取られてしまう場面もありました。
この空気が、
さらに女性を黙らせます。


■⑦ 反映されるまでに時間がかかる

女性の声は、
問題として認識されるまでに時間がかかります。
結果として、
対策が「後追い」になり、
初動では守られない状況が続きます。


■⑧ 声が届いた時、防災は確実に改善する

一方で、
女性の声が反映された現場では、
避難所環境が大きく改善していました。
清潔、プライバシー、安心感。
これらは、
全体の生活の質を押し上げます。


■⑨ 女性の声を活かす防災とは

女性の声を活かす防災とは、
特別扱いすることではありません。
最初から
生活の視点を入れることです。
被災地で安定していた場所ほど、
この視点がありました。


女性の声が防災に活かされにくいのは、
個人の問題ではなく構造の問題です。
だからこそ、
声を上げることも、
受け取る側が想像することも、
どちらも防災の一部です。
女性の声が活かされる防災は、
誰にとっても生きやすい防災になります。

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