災害後、
それまで自立していた子どもが
急に甘えるようになることがあります。
被災地では、
この「甘え」を心配する保護者の姿を何度も見てきました。
しかしこの行動は、
問題行動ではありません。
現場経験を踏まえて、その理由を整理します。
■① 甘えは「安心を確認する行動」
災害は、
子どもにとって
世界が一気に不安定になる体験です。
被災地では、
甘えることで
「まだ守られているか」を
確かめている子どもが多くいました。
甘えは、
不安の裏返しです。
■② 我慢していた反動が出やすい
災害直後、
子どもは周囲に合わせて
必死に我慢しています。
被災地では、
生活が落ち着き始めた頃に
一気に甘えが強くなるケースが多くありました。
これは、
緊張が解けたサインでもあります。
■③ 年齢に関係なく起こる
「もう大きいのに」と思われがちですが、
甘えは年齢に関係なく起きます。
被災地では、
小学生だけでなく
中学生でも
親にくっつくようになった例がありました。
心の反応に、
年齢制限はありません。
■④ 甘えは「後退」ではない
できていたことが
一時的にできなくなると、
後退したように見えます。
しかし被災地では、
甘えを受け止められた子どもほど、
自然に元の行動に戻っていきました。
回復の途中で起きる現象です。
■⑤ 拒否すると不安が長引く
「甘えないで」
「もう大丈夫でしょ」
という言葉は、
子どもの不安を強めることがあります。
被災地では、
甘えを否定された子どもほど、
別の形で不調を表すケースもありました。
■⑥ 甘えを受け止める=甘やかしではない
甘えを受け止めることと、
何でも許すことは違います。
被災地では、
安心感が満たされた後、
自然と自立に戻る子どもが多くいました。
安心が、
自立を取り戻す土台になります。
■⑦ 保護者自身も疲れていると知る
甘えが続くと、
保護者も消耗します。
被災地では、
「自分も限界だった」と話す親も多くいました。
無理な時は、
周囲に頼ることも大切です。
■⑧ 甘えが続く期間には個人差がある
数日で落ち着く子もいれば、
数週間かかる子もいます。
被災地では、
比較して焦ることで
親子ともに疲れてしまうケースもありました。
比べないことが重要です。
■⑨ 甘えは「心が回復している証」
災害後に子どもが甘えるのは、
心が壊れたからではありません。
安心を取り戻そうとしている反応です。
災害後に子どもが甘えるのは、
弱さでも失敗でもありません。
「守られている」と感じられることで、
子どもはまた前に進めます。
焦らず、
受け止め、
そばにいること。
それが、
被災地で何度も子どもを支えてきた
現実的で続けられる防災です。

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