障がい者の防災対策というと、
特別な備品や制度が真っ先に思い浮かびます。
しかし被災地では、
それ以前に欠けていたものが原因で、支援が届かなくなる場面を何度も見てきました。
現場経験を踏まえ、
障がい者の防災で「一番重要なこと」を整理します。
■① 一番重要なのは「早く気づいてもらえること」
被災地で最も深刻だったのは、
「困っていることが周囲に伝わらない」ケースです。
支援が遅れた多くの事例で、
必要な配慮が分からないまま時間が過ぎていました。
防災対策の出発点は、
存在と状況を周囲に知ってもらうことです。
■② 支援があっても届かなければ意味がない
避難所には支援物資があっても、
必要な人に届かないことがあります。
被災地では、
障がい特性を知られないまま
「みんな同じ扱い」を受け、
結果的に生活が成り立たなくなった例がありました。
配慮は、
気づかれて初めて機能します。
■③ 障がいの種類より「生活の困りごと」
被災地で役立ったのは、
診断名ではなく
「何ができて、何が難しいか」という情報でした。
例えば、
音が苦手、
暗所が不安、
長時間立てない。
こうした具体性があるほど、
周囲の支援が早くなりました。
■④ 我慢が一番のリスクになる
障がい者は、
周囲に迷惑をかけまいとして
我慢しがちです。
被災地では、
我慢を続けた結果、
体調や症状が急激に悪化したケースを多く見ました。
我慢しないことは、
防災行動です。
■⑤ 「特別扱い」ではなく「必要な配慮」
配慮を求めると、
「特別扱い」と受け取られる不安があります。
被災地では、
その誤解が支援を遅らせていました。
防災における配慮は、
特別ではなく
命と生活を守るための調整です。
■⑥ 一人で完結させない防災が重要
障がい者の防災は、
本人だけで完結できません。
被災地では、
家族・近隣・支援者との
つながりがある人ほど、
避難や生活再建がスムーズでした。
防災は、
人との関係性の中で成立します。
■⑦ 書面より「共有されていること」
計画や名簿があっても、
共有されていなければ意味がありません。
被災地では、
紙の計画が存在していても
現場で知られていない例が多くありました。
大切なのは、
「誰が知っているか」です。
■⑧ 完璧な準備より「伝えられる準備」
すべてを整えることは難しくても、
伝える準備はできます。
被災地では、
一言で説明できるメモや
口頭での共有が
状況を大きく変えていました。
■⑨ 障がい者防災の軸は「生活を止めないこと」
命を守ることと同時に、
生活を維持する視点が欠かせません。
被災地では、
生活が崩れたことで
二次的な被害が拡大する例もありました。
障がい者の防災対策で
一番重要なのは、
特別な物や制度ではありません。
困りごとを
早く、正しく、周囲に伝えられること。
つながりの中で
支援が動く状態を作ること。
それが、
被災地で何度も命と生活を守ってきた
現実的で続けられる防災です。

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