災害に強い国は、
「インフラ(道路・ダム・堤防・都市設計)」への考え方が大きく違います。
世界の事例には、日本の防災レベルをさらに引き上げるヒントが多く隠れています。
■ 1. オランダ:世界最強の“水と共生するインフラ”
オランダは国土の3割が海面より低いため、
水害と闘うためのインフラが世界最強レベル。
特徴
- デルタ計画という巨大国家プロジェクト
- 可動堰・水門が都市全体に配置
- 洪水を“防ぐ”ではなく“逃がす”思想
- 河川をあえて広げる「Room for the River」政策
→ 日本の参考点
- 河川に“逃がす空間”を作る都市設計
- 堤防だけに頼らない複合的な水害対策
■ 2. アメリカ:ハリケーン対策の“堤防 × 都市防衛”
アメリカ南部(ニューオーリンズなど)は、
ハリケーン被害が多いため強固なインフラを持ちます。
特徴
- 巨大な防潮堤
- 風速に耐える橋梁設計
- 電柱ではなく“地下送電化”
- 巨大ポンプシステムで排水
→ 日本の参考点
- 豪雨対策として地下送電の推進
- 大型ポンプの高速化・自動化
■ 3. 韓国:都市洪水に“地下巨大貯水槽”で対応
ソウルはゲリラ豪雨対策として、
地下に巨大な貯水空間を作っています。
特徴
- 高速道路の地下に巨大トンネル
- 1回の豪雨で数十万トンを貯留
- 洪水時は自動で水門が作動
→ 日本の参考点
- 都市部の地下貯水池の拡大
- 地上の洪水を一気に減らすシステム導入
■ 4. 台湾:停電・断水に強い“分散型インフラ”
台湾は災害への強さを国の重要政策としています。
特徴
- 水道局が多重バックアップを保持
- 電力は“分散型供給”で大停電を防止
- 地震後の復旧が世界でも最速クラス
→ 日本の参考点
- 地域ごとの“エネルギー分散化”
- 断水リスクを減らすバックアップ水源
■ 5. トルコ:地震国ならではの“耐震インフラ”
トルコは巨大地震の教訓から、
耐震インフラの強化が急速にすすんでいます。
特徴
- 免震橋梁の導入
- 耐震の建築基準を厳格化
- 病院・学校の耐震化プロジェクト
→ 日本の参考点
- 免震橋の普及
- 公共施設の耐震レベルの統一強化
■ 6. スイス:山岳インフラが世界トップクラス
スイスは山地が多く、
雪崩・落石・土砂災害が日常的。
特徴
- 全山に落石防護ネット
- 雪崩シュート(雪崩誘導構造)の整備
- トンネルの高い安全性能
→ 日本の参考点
- 山岳地域の土砂防護のモデル化
- 生活道路への落石センサー設置
■ 7. 日本のインフラが世界に誇る点
もちろん、日本も世界トップクラスです。
- 東日本大震災後の耐震化
- 河川整備の進展
- 地下街の浸水対策
- 避難所の質向上
- 高速道路の規格の高さ
しかし、新たな気候変動リスクに対応するためには、
さらにアップデートが必要です。
■ 日本が学ぶべき方向性(まとめ)
- 洪水を“逃がす”都市設計(オランダ)
- 地下巨大貯水の導入(韓国)
- 送電・水道の分散化(台湾)
- 免震インフラの徹底(トルコ)
- 山地災害への先進対策(スイス)
■ まとめ
世界のインフラは、国の歴史・気候・地形によって違います。
しかし、共通しているのは
「災害を0にできないなら、“被害を最小化”する仕組みをつくる」
という考え方。
世界のハード対策を参考にすることで、
日本の防災インフラはさらに強く、より未来型へと進化します。

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