防災の現場で、よく聞かれる疑問があります。
「これだけ便利なのに、なぜ自治体はGoogle Mapsを公式のハザードマップとして使わないのか?」
被災地で実務に関わってきた立場から見ると、
そこには“使えない”ではなく、使えない理由があるという現実があります。
■① 被災地で実感した「住民はすでにGoogle Mapsを見ている」
災害現場で住民に話を聞くと、
多くの人がこう言います。
・紙のハザードマップは見たことがない
・どこにあるか分からない
・結局スマホで地図を見る
実際、避難行動の判断材料として
多くの住民はGoogle Mapsを使っています。
これは、行政側も分かっている事実です。
■② 自治体がGoogle Mapsを公式に使えない最大の理由
理由は「便利かどうか」ではありません。
自治体がGoogle Mapsを
公式な防災ツールとして使えない最大の理由は、
責任の所在が自治体にないからです。
・表示内容を自治体が管理できない
・仕様変更を自治体がコントロールできない
・誤表示時の責任が不明確
行政は、
「公式に出す=全責任を負う」
という前提で動いています。
■③ 被災地で何度も問題になった「公式情報の重さ」
被災地では、
情報の正確性が命に直結します。
もし、
・Google Mapsの表示が変わった
・通信障害で見られなかった
・更新が間に合わなかった
この結果、被害が出た場合、
誰が責任を負うのか。
この一点が、
自治体が公式利用できない最大の壁です。
■④ 自治体ハザードマップが「公式」である理由
自治体ハザードマップは、
・内容を自治体が決定できる
・法的根拠に基づいて作成される
・責任の所在が明確
という特徴があります。
見づらくても、
使われていなくても、
公式であること自体が役割なのです。
■⑤ 行政が本音では分かっている現実
現場レベルでは、
多くの職員がこう感じています。
・正直、住民はGoogle Mapsしか見ていない
・紙は配るが見られていない
・スマホ前提で考えた方が現実的
しかし、
「公式にGoogle Mapsを使う」
とは言えない立場にあります。
■⑥ 被災地で見えた「現実的な落としどころ」
実際の現場では、
次のような使い分けが起きています。
・公式判断:自治体ハザードマップ
・住民の行動:Google Maps
つまり、
役割分担はすでに自然発生しているのです。
■⑦ 防災は「公式か非公式か」だけで決めない
防災において大切なのは、
・公式かどうか
ではなく
・住民が実際に使えるかどうか
被災地では、
「正しいけど使われない情報」より
「非公式でも見られている情報」の方が
行動につながっていました。
■⑧ 今日からできる現実的な考え方
今日できることは、これだけです。
・自治体ハザードマップは公式の基準として理解する
・行動判断はGoogle Mapsなど身近なツールで補う
・両方を敵対させず、役割分担で考える
これだけで、
防災は一段現実に近づきます。
まとめ
自治体がGoogle Mapsを
公式に使えないのは、
怠慢でも時代遅れでもありません。
責任を負う立場だからこそ、使えない。
一方で、
住民はすでにGoogle Mapsを使って行動しています。
被災地で見てきた現実から言っても、
これからの防災は、
・公式情報を土台に
・日常ツールで行動する
この二層構造が
最も現実的です。
敵にしない。
比べない。
役割を分ける。
それが、
これからの防災×Google Mapsの
正しい向き合い方です。

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