災害時の“食”は、国によって考え方が大きく違います。
備蓄の内容、料理方法、家庭での工夫、それぞれに特徴があり、
日本の防災食をアップデートするヒントがたくさんあります。
■ 1. アメリカ:カロリー重視の“サバイバル食”
アメリカでは、災害時はとにかく
高カロリーで腹持ちする食べ物が好まれます。
特徴
- ピーナッツバター
- プロテインバー
- バーベキュー缶(肉系)
- エナジーゼリー
- 冷蔵不要のパスタソース
日本の参考点
- 高カロリー非常食のラインナップ強化
- タンパク質多めの備蓄
■ 2. フランス:非常食でも“味を妥協しない”
フランスは食文化が豊かで、災害食にも独自性があります。
特徴
- パウチのビーフシチュー
- トマト煮込み
- じっくり煮たレンズ豆
- チーズ保存食
- パンの長期保存パック
日本の参考点
- “美味しさ”を重視した非常食
- ワンプレートで満足できる洋風ライン
■ 3. イタリア:パスタ文化が災害時にも役立つ
イタリアは乾燥パスタやオリーブオイル文化が災害時にも強い。
特徴
- 乾燥パスタは長期保存
- トマト缶・ツナ缶が万能
- 加熱なしでも食べられるパスタ料理
- オリーブオイルでカロリー確保
日本の参考点
- 乾麺を使った“水戻しレシピ”普及
- オイル系の備蓄増加
■ 4. インド:スパイス文化で“飽きない備蓄”
インドは香辛料国家で、
災害時もスパイスが重要な役割を果たします。
特徴
- スパイスで味を調整
- 常温保存の豆&豆カレー
- チャパティ(長期保存)
- レトルトカレーの種類が豊富
日本の参考点
- スパイスの小袋セット
- 豆の非常食開発
■ 5. 北欧(スウェーデン・ノルウェー):寒冷地は“温かい食事”が生命線
北欧は寒さが厳しいため、
“体を温める食事”が災害時の最優先です。
特徴
- 濃いスープ
- 栄養価の高い穀物
- 缶詰パン
- ホットドリンクパック
日本の参考点
- 冬災害に強い“温かい非常食”を標準化
- 電気なしでも温められる容器を普及
■ 6. 台湾・香港:屋台文化が“手軽でうまい災害食”を支える
台湾は食文化が豊かで、
常温食品のバリエーションが多いです。
特徴
- 魚の缶詰(魯肉飯系)
- 即席麺が種類豊富
- 甘い飲料でエネルギー補給
日本の参考点
- アジアン系の非常食のラインナップ追加
- 味の選択肢を増やして飽きさせない
■ 7. 中東(ドバイ・サウジ):水が貴重な地域の“節水料理”
砂漠地帯では水が大切なため、災害時の食事にも工夫があります。
特徴
- 水不要で食べられるパン
- ペースト状の食料
- オイル系食品で満腹感
- 乾燥ナツメヤシ(デーツ)
日本の参考点
- “水を使わない料理”の普及
- 乾燥フルーツの備蓄
■ 日本の非常食の強み
- アルファ米の品質が高い
- 和食のレトルトが豊富
- アレルギー対応食の充実
- 高齢者向けの柔らか食がある
しかし、
・味のバリエーション ・高タンパク ・低水調理 ・栄養の長期最適化
などはまだ伸びしろがあります。
■ 日本が取り入れるべき“災害食アップデート”
- 水戻しパスタ(イタリア式)
- スパイス小袋(インド式)
- 温かいスープ系(北欧式)
- プロテインバー充実(アメリカ式)
- 缶詰パン・乾燥パン(欧州式)
- 低水調理の新商品(中東式)
■ まとめ
世界の災害食は、
“文化 × 気候 × 価値観”の差が大きく出ます。
その違いを取り入れれば、
日本の非常食はもっと美味しく、もっと機能的に進化し、
災害時でも“心と体を支える食事”が実現します。

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