災害時に最も混乱するのが“移動手段”。
海外では、公共交通を災害に強くするための独自の仕組みがたくさんあります。
日本の交通防災を強化するヒントとして紹介します。
■ 1. スイス:鉄道が“全災害対応”で設計されている
世界トップの鉄道王国は、防災も一級品。
特徴
- 山岳地帯でも落石対策ネットが徹底
- トンネルが“避難場所”として機能
- 豪雪でも止まりにくい鉄道システム
日本へのヒント
- 山間部の鉄道の落石対策アップデート
- トンネルを避難・情報提供の基地に
- 豪雪・豪雨でも強いダイヤ作成
■ 2. 韓国:地下鉄の“自動浸水防止システム”が進んでいる
大雨対策で日本より先行する部分。
特徴
- 駅入口に水害ゲートが自動で上昇
- 地下ホームの排水ポンプが大容量
- 豪雨時はダイヤを“安全モード”へ自動移行
日本が学べる点
- 地下鉄入口の自動ゲート導入
- 排水ポンプの増強
- 大雨時の自動ダイヤ調整
■ 3. イギリス(ロンドン):バスでの“分散避難”が素早い
鉄道が止まった時のバックアップが強い。
特徴
- バス路線が非常に細かく網羅
- 災害時の“振替バス”運行が異常に早い
- 市民が普段からバスを使い慣れている
日本へのヒント
- 停電・豪雨時のバス代替輸送の強化
- バス路線の地域カバーを見直す
- 災害時に“移動弱者”を運ぶ優先バスの設定
■ 4. アメリカ:ハリケーン時の“無料避難バス”が常識
避難行動を促すために、完全無料化。
特徴
- ハリケーン警報発令と同時に無料化
- 車を持たない家庭が多い地域で特に効果
- 観光客もパスポートなしで利用可能
日本が学べる点
- 台風接近時の公共交通“無料避難輸送”
- 高齢者向けの送迎便の常設化
- 観光客用の緊急連絡バスシステム
■ 5. オーストラリア:道路が“火災と洪水に強い設計”
自然災害が多い国ならでは。
特徴
- 山火事地域には“防火舗装”
- 洪水が起こる道路は高床式に
- 重要道路沿いには避難スペースを必ず設置
日本への示唆
- 山間部道路の防火性能を改善
- 浸水しやすい道路の高床化
- 道路脇避難スペースの設置
■ まとめ
世界の交通防災は、日本よりも
- 自動化
- 公共交通の柔軟な運用
- 無料避難輸送
- 道路そのものの防災設計
- 地下鉄の浸水対策
など、実践的な工夫が多いのが特徴。
公共交通が強くなると、
災害時の“逃げ遅れゼロ”に近づきます。

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