個別避難計画は、
「完成させること」よりも、
作る過程そのものに大きな意味があります。
そして実は、
作った“後”こそが、地域防災の本番です。
■① 個別避難計画は「完成品」ではない
個別避難計画というと、
・書類を作る
・台帳を整える
・対象者をリスト化する
こうした成果物に目が向きがちです。
しかし、防災の現場で本当に価値があるのは、
「計画があるか」ではなく、
「誰が誰を知っているか」です。
■② 作る過程が、地域の関係性をつくる
個別避難計画を作る過程では、
・本人や家族と話す
・地域住民と顔を合わせる
・医療・福祉関係者と情報共有する
こうしたやり取りが必ず発生します。
この話し合いそのものが、
災害時に必要な人間関係を事前に作ってくれます。
■③ 被災地で実感した「顔が浮かぶ強さ」
被災地で支援に入った際、
対応が早い地域には共通点がありました。
・「あの家には〇〇さんがいる」
・「人工呼吸器が必要な子がいる」
・「夜はこの人が一人になる」
名前と状況が自然に出てくる地域ほど、
初動が圧倒的に早かったのです。
これは、計画書ではなく、
作る過程で生まれた理解の力でした。
■④ 作った後に生まれる「安心感」
個別避難計画を作った後、
多くの地域で変化が起きます。
・見守りの声かけが増える
・「何かあったら」を想像できる
・地域行事への参加が増える
防災が、
特別なものから日常の一部に変わっていきます。
■⑤ 個別避難計画は「防災ツール」ではない
個別避難計画は、
単なる防災ツールではありません。
・コミュニティづくり
・信頼関係の可視化
・支え合いの確認
こうした地域力を高める装置でもあります。
だからこそ、
作ること自体に大きな意味があります。
■⑥ 完璧でなくていい理由
現場ではよく、
「全部作れない」
「人が足りない」
「更新できない」
という声が聞かれます。
しかし、
完璧である必要はありません。
・途中まででも
・一部だけでも
・話し合いだけでも
やった分だけ、確実に地域は強くなります。
■⑦ 計画が「生きている」地域の特徴
個別避難計画が形骸化しない地域には、
・定期的な声かけ
・訓練での確認
・世代を超えた共有
があります。
計画は紙ではなく、
人の中に残っているのです。
■⑧ 防災は「仕組み」より「関係性」
防災は、
制度や仕組みだけでは機能しません。
最後に命を守るのは、
・知っている
・気づける
・声をかけられる
この関係性です。
個別避難計画は、
その関係性を育てるための“きっかけ”です。
■まとめ
個別避難計画は、
・作ることに意味がある
・作る過程に価値がある
・作った後、地域を強くする
この三段階で効果を発揮します。
被災地で感じたのは、
「計画がある地域」よりも 「計画を作ろうとした地域」が強いという事実でした。
完璧を目指さなくていい。
まず話すことから始める。
それが、
誰一人取り残さない防災への、確かな一歩です。

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