日本は医療が優れていますが、“災害医療”では海外のほうが進んでいる分野も多くあります。
医療崩壊を防ぐ仕組みづくりのヒントとして、世界のモデルを紹介します。
■ 1. イスラエル:世界最速の“災害医療チーム”
紛争地域だからこそ、初動が異次元に早い。
特徴
- 発災から数分~数十分で医療隊が現地へ
- 医師・看護師・救急隊の一体型編成
- 現場で手術ができる移動テント病院を保有
日本へのヒント
- DMATの“最寄り編成”の仕組み
- 現地で手術できる移動医療ユニット
- テロ・爆発対応の医療教育強化
■ 2. ドイツ:病院同士の“相互支援ネットワーク”が強すぎる
医療崩壊をさせないための組織力。
特徴
- 病院の空きベッド情報を全国リアルタイム共有
- 災害時は患者を全国へ分散移送
- 医療スタッフの応援派遣も即時
日本が学べる点
- 空きベッドの全国共有システム
- 都道府県をまたぐ患者搬送体制
- 医療応援スタッフの統一窓口
■ 3. ノルウェー:救急ヘリが“救急車の延長線”
広大な土地をカバーするためヘリの運用が非常に上手い。
特徴
- 気象条件が悪くても飛べる専用ヘリ
- 医師が同乗し、到着後すぐ処置
- 山岳・離島でも治療開始が早い
日本のヒント
- 山間部の救急ヘリ強化
- 医師同乗の標準化
- 天候悪化時でも動ける機体の導入
■ 4. 台湾:病院の“地震対応力”が異様に高い
大震災の経験から耐震化が徹底。
特徴
- 病院の耐震基準が非常に厳しい
- 電源・水・酸素の“72時間自立”が義務
- エレベーターが自動停止→手動再開の安全仕様
日本へのヒント
- 地域病院の耐震診断を強化
- 非常用電源・酸素供給の72時間化
- エレベーターの災害安全設計
■ 5. アメリカ:専用の“災害メディカルバス”がある
巨大バスがそのまま病院代わり。
特徴
- 多床型ベッドを積んだ移動救護バス
- 酸素・医療器具・薬品を収納
- 避難所・病院不足地域で稼働できる
日本への示唆
- 災害医療バスの導入
- 避難所で医療崩壊を防ぐ可動式診療所
- 高齢者向けの移動医療支援の拡充
■ まとめ
世界の“医療×防災”は、日本に比べて
- 医療チームの初動が速い
- 病院同士の連携が強固
- 空きベッドが全国で共有
- 医師同乗の救急ヘリが標準
- 移動型病院(テント・バス)が充実
- 病院が72時間自立できる設計
といった特徴があり、日本の災害医療の課題解決のヒントが多くあります。
災害時は「1分1秒」が命を左右します。
海外の知恵を取り入れれば、日本の災害医療はさらに強くなります。

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