非常食というと、日本ではレトルト・缶詰が中心ですが、
世界では“ふだんの料理をそのまま防災に応用”する国が多くあります。
食文化がそのまま災害に強くなる仕組みを紹介します。
■ 1. イタリア:パスタ文化は実は“防災向き”
長期保存と簡単調理が強い。
特徴
- 乾燥パスタは常温で2〜3年保存
- 茹で時間を短くできる“浸水法”が普及
- オリーブオイルと塩だけで栄養確保が可能
日本が学べる点
- 乾麺の備蓄を増やす(和風パスタも相性◎)
- 浸水パスタを防災レシピ化
- オイル系食材の備蓄で“カロリー不足”を防ぐ
■ 2. インド:スパイス文化が“衛生管理”に役立つ
高温多湿の国が編み出した知恵。
特徴
- ウコン・ジンジャーなど抗菌作用の高いスパイスを多用
- 災害時に水が悪くても食中毒リスクを下げられる
- 火を使わない料理も多い
日本へのヒント
- スパイスを非常食セットに追加
- 火を使わないカレーペーストは在宅避難に最適
- お湯だけで作れるインド系スープの活用
■ 3. メキシコ:トルティーヤ文化は“携帯食”として最強
パンより日持ちし、米より調理が楽。
特徴
- 密閉すれば1週間以上もつ
- どんな具材とも相性が良い
- 火が弱くても温められる
日本が学べる点
- ラップ・薄焼きパンを防災食に
- 開封後の保存性が高いため避難所向け
- 子どもも食べやすい万能食材
■ 4. フランス:チーズ・バゲットが“保存食”として優秀
ヨーロッパの保存文化は非常時にも強い。
特徴
- ハードチーズは冷蔵不要で保存可能
- バゲットは乾燥してもスープに浸せば美味しい
- ナッツやドライフルーツと組み合わせて栄養確保
日本へのヒント
- 保存性の高いチーズを“災害おやつ”に
- パンが固くなっても“リメイク食”にする発想
- おしゃれ非常食として普及可能
■ 5. 韓国:キムチ・発酵食品が“健康管理”の要
長期保存と栄養補給がセット。
特徴
- 発酵食品が多く保存に強い
- 災害時に不足しがちなビタミンを補給
- インスタント麺との相性が抜群
日本への示唆
- 発酵食品を備蓄に加える(納豆・味噌も同様)
- インスタント麺×保存野菜で栄養不足を補う
- 発酵食品は避難所ストレス対策にも有効
■ まとめ
世界の“食文化×防災”は、日本と比べて
- 普段の食文化がそのまま非常食になる
- 火力が弱くても作れる料理が多い
- 発酵食品・乾燥食材が豊富
- 栄養バランスを文化でカバー
- 家庭でできる“ローリングストック”が自然に根付く
という特徴があります。
日本でも、
「いつもの食をそのまま防災へ」
という発想に切り替えるだけで、
避難生活のストレスは大幅に減らせます。

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