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はじめに|“防災の最前線”にいる人々から学べ
自衛隊――彼らは「国防の最後の砦」であると同時に、
日本最大の“災害対応専門集団”でもあります。
東日本大震災や熊本地震、西日本豪雨など、数々の被災地で自衛隊が命を救い、インフラを支え、被災者の心を守ってきました。
そして彼らの厳しい訓練・行動からは、私たち一般市民が災害にどう備えるべきか、多くの学びがあります。
この記事では、「防災×自衛隊訓練」を切り口に、
“生きるために本当に必要なこと・もの”を、防災士の視点からわかりやすく紹介します。
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第1章|自衛隊の現場力から見える「災害のリアル」
▼1. 災害は「想定外」であることが前提
自衛隊の訓練でまず教えられるのは、
「予定通りにはいかないことを、予定せよ」という考え方。
これはまさに、防災にも通じる鉄則です。
避難所に入れない、持ち物が役に立たない、情報が錯綜する──
こうした“現場の混乱”に強いのが、自衛隊のような「即応力」を持つ人々です。
▼2. 優先順位を“命”に置くシンプルな思考
自衛隊の災害出動では、常に以下のような基準で行動が決まります:
• 命を守る行動を最優先に
• 二次災害を絶対に起こさない
• 自分が倒れれば、助けられる人も助けられない
これは私たち一般市民にも通用する価値観です。
「まず助かる」「次に助ける」という意識が、防災では最も重要です。
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第2章|自衛隊訓練から学ぶ「生きるために必要なこと」
①「自己完結力」を高める
自衛隊員は1人で最低3日分、自分の命を維持できる装備・行動力を持ちます。
これは私たちにも必要な“自助力”です。
• 水・食料・防寒・通信・衛生の基本装備を常備
• 電気がなくても生活できる工夫
• 「ないなら作る、壊れたら直す」マインド
②「状況把握力」を養う
• 地図や方角を把握(スマホが使えない前提で)
• 被災地の安全・危険エリアを見分ける
• 気象・余震・火災など“複合災害”を常に意識
視野が狭くなると命取りです。
日常的に「もし今災害が来たら?」を意識して、行動訓練を。
③「役割分担と連携」を重視する
自衛隊の行動では、個人プレーは事故のもととされています。
• リーダー、搬送、警戒、情報収集などの役割分担
• 指示系統の明確化(誰が判断し、誰が動くか)
• 一人の判断では動かず、常に「報・連・相」
これは家庭や職場でも応用できる大事な教訓です。
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第3章|自衛隊装備から学ぶ「必要なものリスト」
自衛隊員の装備には“意味のないもの”は一つもありません。
以下は一般家庭にも応用できる「必携装備」です。
▼1. 水の確保
• 携帯浄水器(例:ソーヤーミニ、Lifestraw)
• 折りたたみ式水タンク(10〜20L)
• 給水バッグ or ポリタンク(自衛隊員も持参)
▼2. 火と熱源
• 固形燃料 or アルコールバーナー(自衛隊でも使用)
• ライター/ファイヤースターター
• アルミシート・断熱シート(体温保持)
▼3. 通信・光
• 手回しラジオ&LEDライト一体型
• ホイッスル(緊急時の合図用)
• スマホ予備バッテリー(ソーラー型推奨)
▼4. 携行食・保存食
• カロリーメイト/クラッカー/缶詰/フリーズドライ
• 自衛隊でも使われる「ミリメシ」(戦闘糧食)も民間購入可能
• 低アレルゲン・高カロリー重視で選ぶこと
▼5. ツール類
• 多機能ナイフ/折りたたみスコップ/ロープ
• ゴム手袋・防水手袋・布テープ
• 耐水メモ帳&油性ペン(情報伝達に)
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第4章|自衛隊の「心構え」こそ最大の学び
災害に強い人間とは、「道具が多い人」ではなく、「心が折れない人」です。
自衛隊では以下のような心構えが徹底されています。
▼1. 慌てない、怒らない、焦らない
• パニックは最も危険な敵
• 冷静でいることが、他者への信頼につながる
• 声かけひとつで空気が変わる
▼2. 「自分のため」でなく「誰かのため」に動く
• 助ける意志を持つことで、判断がぶれなくなる
• 災害時の“利他の精神”は、生きる力に変わる
▼3. 訓練こそ最大の備え
• 月1回の“家族避難シミュレーション”
• 学校・職場でのBCP訓練の推進
• 誰かに教えること=自分の理解を深める
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第5章|家庭・地域で生かせる「自衛隊式・防災行動術」
【日常化】「防災は日常の延長にある」
• お風呂の残り湯は非常用水に
• 買い置きのローテーション(ローリングストック)
• 近所の避難所や高台を“散歩がてら”確認する
【自宅でできる訓練】
• 停電・断水・スマホなし“24時間生活”を家族で体験
• 非常食だけで1日メニューを考える
• 夜間避難のシミュレーション(ブラインド付きで再現)
【地域連携】
• 自衛隊OBがいるなら、防災リーダーとして協力を仰ぐ
• 消防・警察・自治体と一体の「統合訓練」実施
• 自主防災組織に“行動マニュアル”を導入
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終わりに|「生きる力」は“装備と意識”で育つ
災害時、真に生き延びる人とは――
• 自分で判断し、行動できる人
• 限られた装備で最大限工夫できる人
• 仲間と協力し合える人
それはまさに、自衛隊員の姿そのものです。
災害はいつか必ず起こります。
その時に、あなたは「助けられる側」ではなく「支え合える側」に立てますか?
今日から、少しずつ。
防災の準備と、心の準備を始めましょう。

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