災害が起きた後、
“どう復興するか”は国ごとに大きく異なります。
世界には、日本の復興をより強くするヒントが多く存在します。
■ 1. ニュージーランド:被災都市そのものを“作り直す”
2011年カンタベリー地震後の復興モデルが有名。
特徴
- 被災した旧市街を大胆に再設計
- 建物の高さ規制・耐震基準を大幅に強化
- 市民が復興計画の会議に参加
- 「住みやすさ」を重視した新都市へ変化
日本が学べる点
- 災害後は“元に戻す”ではなく“より安全に作り直す”
- 復興に市民の意見を強く取り入れる
- 耐震基準を地域ごとに見直す
■ 2. アメリカ:FEMA主導の“スピード復旧”
ハリケーン被災が多い国の強み。
特徴
- 連邦のFEMAが一括指揮
- 民間業者と即契約して道路・電気・水道を復旧
- 災害保険の支払いが非常に早い
- 仮設住居は“即日設置”が原則
日本へのヒント
- 国・自治体・民間の連携スピードを上げる
- 災害保険の迅速支払いモデル
- 仮設の“迅速設置”を全国で標準化
■ 3. スウェーデン:復興の軸が“メンタルケア”
北欧型の丁寧な支援。
特徴
- 被災者に心理士が長期的に寄り添う
- 支援センターに“心のケア専門員”常駐
- 学校・地域コミュニティと連携して見守り
日本が学べる点
- 復興支援に心理ケアを組み込む
- 子どもの心のケアを長期的に支える体制
- 避難所〜復帰ステップの“精神的支援”の見える化
■ 4. フランス:文化財と旧市街を“守りながら復興”
歴史保全の意識が非常に高い。
特徴
- 被災しても文化財の修復を優先
- 旧市街の景観を保ちながら耐震・補強
- 専門家チームによる長期計画
日本が学べる点
- 文化・歴史を守る復興計画の導入
- 古い街並みを残しつつ耐震化
- 文化財レスキューの組織強化
■ 5. フィリピン:復興を“地域ビジネス”と結びつける
台風が多い国の生きる知恵。
特徴
- 復興と同時に地元産業の再建をセットで実施
- 地域の小規模ビジネス(漁業・農業・工芸)を再開
- 女性の雇用支援も重視
日本へのヒント
- 復興=地域経済の再建として考える
- 地元企業の復旧・再スタート支援
- 女性や高齢者が復興で活躍できる仕組みづくり
■ まとめ
世界の復興は、
- 再設計型(NZ)
- スピード型(米国)
- 長期心理ケア型(北欧)
- 文化保全型(フランス)
- 地域経済型(フィリピン)
と国によって特徴が異なります。
日本の復興がさらに強くなるポイントは、
-「元に戻す」から「より安全にする」へ発想転換
- 迅速なインフラ復旧
- 心のケアの制度化
- 文化財保全と耐震の両立
- 地域経済を一体で再建
世界の知恵を取り入れれば、
“災害から立ち直る力”は確実にレベルアップします。

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