避難行動が難しい人をどう守るかは、
どの国でも大きな防災テーマ。
海外では、日本より進んでいる仕組みも多く存在します。
■ 1. ドイツ:障害のある人の“避難支援計画”が義務化
人権意識が非常に高い国。
特徴
- すべての自治体が“要援護者計画”を作成
- 支援者(サポーター)を平時から指定
- 避難所も段差ゼロが標準
- 説明は“やさしいドイツ語”で提供
日本が学べる点
- 要支援者計画の義務化
- 誰に助けてもらうか平時から決める
- 段差ゼロ・バリアフリー避難所の整備
■ 2. スウェーデン:高齢者の避難は“地域チーム”でサポート
高齢者福祉が世界トップレベル。
特徴
- 高齢者の住所・健康情報を地域で共有
- 福祉スタッフが災害時に個別訪問
- 移動困難者向けの専用避難車両
- 避難所での医療・介護支援が充実
日本へのヒント
- 高齢者の見守りネットワークを強化
- 避難困難者の専用車両を自治体に配備
- 避難所に介護スペースを標準化
■ 3. オーストラリア:子どもの“心理ケア”を最優先
自然災害が多い国ならでは。
特徴
- 避難所に子ども専用の“安心ルーム”設置
- 心理士が巡回してケアを担当
- 子どもの不安を軽減する遊びプログラムが標準
- 家族単位で過ごせる仕切りを整備
日本が学べる点
- 避難所に“子ども安心スペース”を必ず設置
- 心理士・児童福祉スタッフの配置
- 子ども向け防災教材の充実
■ 4. カナダ:多文化国家ならではの“多言語避難”
国民の背景が多様。
特徴
- 避難所の案内標識が5〜7言語
- 外国人向けの避難マニュアルを常備
- アレルギー表示が徹底
- 車いすエリア・介助者エリアが分かれている
日本へのヒント
- 多言語の避難所サインの普及
- 食物アレルギー対応の強化
- 外国人向けの避難案内の平常時配布
■ 5. シンガポール:避難できない人は“指定マンション階”
高層住宅国家ならではの仕組み。
特徴
- 高齢者や障害者用の“避難階(安全フロア)”が全ての公共住宅に設置
- 災害時は外に出ず、指定階へ避難する仕組み
- エレベーターも災害対応モードに切替
日本の改善点
- 共同住宅に“避難階”を検討
- 高齢者住宅の安全フロア
- 要援護者が無理に屋外へ出ない避難設計
■ まとめ
世界の弱者支援は、
- 計画の義務化(ドイツ)
- 地域チーム(スウェーデン)
- 子ども心理ケア(豪州)
- 多言語避難(カナダ)
- 安全フロア制度(シンガポール)
と、非常に進んでいます。
日本が取り入れたいのは、
- 平時の計画づくり
- 高齢者の移動サポート
- 避難所の子どもスペース
- 多文化への配慮
- 共同住宅での“横の避難”
弱者支援が強い国は、
“誰も取り残さない災害対応”が実現できます。

コメント