日本は防災先進国ですが、
“家族で防災を学ぶ文化”は、海外のほうが一歩進んでいる国もあります。
世界の防災教育には、日本が取り入れたい知恵が数多くあります。
■ 1. イスラエル:家庭防災教育が“義務”
常に紛争と隣り合わせの国だからこそ、教育が徹底。
特徴
- 幼稚園から「避難訓練」「安全行動」が必修
- 家庭にも“家族防災マニュアル”の作成が義務づけ
- 親の責任が法律で定められている
- 学校の防空室が普段は教室として利用
日本のヒント
- 家庭ごとの「防災マニュアル作成」を推奨
- 学校・家庭が同じ訓練内容で連動
- 子どもが家族を守る“安全行動スキル”育成
■ 2. ニュージーランド:防災教育は「遊び」へ
地震が多い国のユニークな取り組み。
特徴
- “プレイベース学習”で防災を遊びに組み込む
- 地震体験ゲーム、避難迷路など体験型が中心
- 子どもが防災リーダーになる文化(Student Emergency Team)
- 学校から地域まで一貫した防災意識
日本のヒント
- 遊び×体験を増やすことで子どもが自然に覚える
- 小学生リーダー制度で地域防災を活性化
- “楽しい防災”の導入で参加率アップ
■ 3. ノルウェー:自然体験が“防災教育”
北欧は自然を理解する教育が根づいている。
特徴
- 幼少期から“自然に入る授業”が必修
- 雪崩・寒冷対策を体験しながら学ぶ
- 危険を避ける力(リスクリテラシー)が非常に高い
- 子どもが天候情報を自ら確認する習慣がある
日本のヒント
- “自然に触れて覚える防災”の導入
- キャンプ・野外活動を学校教育に組み込む
- 悪天候の兆候を自分で判断する力の育成
■ 4. アメリカ:高校で“災害ボランティア教育”
大規模災害の多い国ならではの仕組み。
特徴
- 高校で“基本的応急手当”“消火”“避難支援”が選択科目
- FEMA(アメリカ危機管理庁)の教材が学校に配布
- 大規模避難所の運営訓練も実施
- 若者が災害ボランティアとして活躍
日本のヒント
- 高校での応急手当教育の必修化
- 避難所運営を学生が体験する仕組み
- 若者のボランティア文化づくり
■ 5. 台湾:学校の避難所機能が全国レベルで整備
日本より実装が早い面もある。
特徴
- 全ての学校に“防災倉庫”を設置
- 発電機・トイレ・毛布などを統一規格で管理
- 教師が避難所運営の資格研修を受ける
- 地域住民と合同訓練を年間で複数回実施
日本のヒント
- 学校の標準防災倉庫化
- 避難所運営マニュアルを全国統一
- 教師への災害対応資格の導入
■ まとめ
世界の防災教育は、
- 家庭教育を義務化(イスラエル)
- 遊びで防災を覚える(NZ)
- 自然体験で危険察知力を育てる(北欧)
- 高校で応急・避難支援を学ぶ(米)
- 学校の避難所機能を国家規模で強化(台湾)
など、日本には少ない“家庭・学校・地域の一体化”が特徴です。
日本が取り入れたいポイントは、
- 家族でつくる防災計画の習慣化
- 子どもが主体的に防災に参加する仕組み
- 学校の避難所機能と教育の一体運用
- 若者のボランティア文化の育成
“自分の命を自分で守る”
その力を育てる教育こそ、最大の防災です。

コメント