「家計の金融資産が過去最高」
このニュース、最近よく目にするようになりました。
一見すると明るい話題ですが、防災の視点で見ると、もう一段深く考える必要があります。
災害時に本当に生活を守れるのは、「家計」だけではなく「国家の体力」も含めた全体像だからです。
■① 家計の金融資産は確かに増えている
2025年9月末時点で、家計の金融資産は2286兆円。
前年同期比で約4.9%増と、過去最高を更新しました。
内訳を見ると特徴は明確です。
・株式・投資信託は大幅増
・保険は微増
・現金・預金はほぼ横ばい
現預金比率は18年ぶりに50%を下回りました。
インフレ環境の中で、「現金だけでは守れない」と感じる家庭が増えている証拠とも言えます。
■② 防災の視点では「政府の財布」も重要
ここで、防災士として注目したいのが政府の財政状況です。
災害時に
・補正予算を組めるか
・復旧・復興を継続できるか
・支援を途中で止めないか
これらは、政府の財政余力に大きく左右されます。
■③ 政府の財政を数字で整理する
現在の政府の状況は、ざっくり言うと以下の通りです。
・金融資産:約909兆円
・金融負債:約1400兆円
・純債務(資産-負債):約491兆円
表面上は借金が多く見えますが、資産を差し引いた「純債務」で見ることが重要です。
■④ 「借金の大きさ」はGDPとの比で考える
財政の健全性を測る代表的な指標が
純債務残高対GDP比です。
現在の日本は約74%。
これは過去と比べても、国際比較で見ても、極端に悪い水準ではありません。
・GDPが増える
・純債務が減る
この2つが同時に進めば、財政は自然と安定します。
■⑤ 防災にとって重要なのは「余力」
防災の世界では、常にこう考えます。
「ギリギリは危険」
これは財政も同じです。
余力があるからこそ、
・大規模災害への即応
・長期避難への支援継続
・復旧の遅れを防ぐ
が可能になります。
■⑥ 家計防災 × 国家防災の両輪
家計が強くなっても、
国家が弱れば、社会全体の回復力は落ちます。
逆に、
・家計が育ち
・GDPが伸び
・政府の純債務が改善する
この循環があってこそ、災害に強い社会になります。
■⑦ 数字を見る力は防災力そのもの
「過去最高」という言葉だけで安心しないこと。
「借金が多い」という言葉だけで不安にならないこと。
・どの数字を見ているのか
・何と比べているのか
これを冷静に判断する力は、災害時の判断力にも直結します。
■⑧ まとめ|お金のニュースも“防災目線”で
今日のポイントはシンプルです。
・家計の金融資産は確かに増えている
・政府の財政も、純債務で見れば改善傾向
・GDPと純債務を見る視点が重要
防災は、備蓄や避難だけではありません。
数字を正しく読み、社会の体力を理解することも立派な防災です。
不安を煽る情報に振り回されず、
冷静に“守れる判断”を積み重ねていきましょう。

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