避難所・仮設住宅での生活は、身体・心・衛生のリスクが高くなります。
世界では、そうした二次被害を防ぐための仕組みが進んでおり、日本にも取り入れたい取り組みがたくさんあります。
■ 1. アメリカ:避難所の“医療ゾーン”が標準
避難所でも医療と福祉を切り離さない。
特徴
- 避難所に“医療エリア”が必ず設置
- 医師・看護師チームが巡回し、持病をチェック
- 心臓病・糖尿病など慢性疾患の管理を最優先
- 薬不足を防ぐためのモバイル薬局が稼働
日本へのヒント
- 避難所に医療区画を標準設置
- 持病者データを避難所運営に共有
- モバイル薬局(移動薬局車両)の普及
■ 2. ノルウェー:避難者の“睡眠環境”を最優先する国
寒冷地ならではの対策が秀逸。
特徴
- 避難所は、マットレスと仕切りを一人ずつ確保
- 睡眠の質を守るため照明・騒音の管理が徹底
- 寒さによる体調悪化を防ぐ“暖房管理マニュアル”
- 子どもや高齢者は別室で保護
日本のヒント
- 寝床の仕切り&マットレスの標準化
- 避難所の騒音・照明管理
- 高齢者・子どもの別室化の検討
■ 3. フランス:感染症対策が徹底している
感染症リスクを科学的に管理。
特徴
- 避難所の入口で“手指消毒”と“健康チェック”を必須化
- 発熱者は専用区画へ案内
- トイレ・洗面の清掃ルールが細かく決まっている
- 衛生ボランティアが常駐
日本のヒント
- 避難所の感染症マニュアルの全国統一
- 発熱者専用区画の明確化
- 衛生ボランティア制度の創設
■ 4. カナダ:心のケアを国家レベルで導入
精神面のサポートが非常に手厚い。
特徴
- 心理支援チームが避難所を巡回
- 子ども向けストレスケア教材が充実
- ペットセラピーを導入する避難所もある
- 長期避難者には心理カウンセリングを提供
日本のヒント
- 心理支援チームの常設
- 子ども向け精神ケアプログラム
- 長期避難における“心の二次被害”の予防
■ 5. 台湾:避難者の“生活習慣病悪化”を徹底ケア
災害後の健康悪化を最も警戒している国のひとつ。
特徴
- 避難所で血圧・血糖値チェックを定期的に実施
- 食事は「減塩メニュー」を標準化
- 運動不足解消のための軽運動コーナー
- 医療データを避難所と共有している
日本へのヒント
- 生活習慣病を避難所運営の重要項目に
- 減塩・栄養バランスの食事提供
- 血圧・血糖のチェック体制構築
■ まとめ
世界が災害後に重視しているのは、
“健康を守れば復興が早くなる”という考え方。
- 医療ゾーンの完備(米国)
- 睡眠・寒さ管理(ノルウェー)
- 感染症対策の徹底(仏)
- 心のケア体制(加)
- 生活習慣病悪化の防止(台湾)
日本が取り入れたいのは、
- 医療・衛生・心理の専門チーム配置
- 避難所環境のレベルアップ
- 高齢者・持病者の健康管理
- 長期避難での“心と体の守り方”
災害後の健康を守ることは、
“命を守る行動の延長線”。
世界の知恵を活かせば、日本の避難所と健康管理はさらに進化します。

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