今日のテーマは「個人向け国債」です。
一見すると投資の話に見えますが、これは家計防災・生活防衛資金の話でもあります。
近年、日本は「金利のない世界」から「金利のある世界」へと明確に移行しつつあります。
その変化が最も分かりやすく表れているのが、個人向け国債です。
■① 個人向け国債の販売が増えている理由
12月のお金のニュースでは、
「個人向け国債の販売が約3割増加」という報道がありました。
理由は単純です。
利回りが明確に改善してきたからです。
金利がほぼゼロだった時代には見向きもされなかった国債が、
いま再び「現金の置き場所」として注目されています。
■② 個人向け国債は“定期預金の上位互換”
マネーリテラシーの高い人ほど、
定期預金の金利ではなく、個人向け国債の金利を見ています。
その理由は構造にあります。
・元本割れしない
・国が発行体
・最低1万円から購入可能
・年2回利子が支払われる
・1年経過後は中途換金可能
安全性・流動性・利回りのバランスを見ると、
多くのケースで定期預金より合理的です。
■③ 個人向け国債の基本3タイプ
個人向け国債には、次の3種類があります。
・固定金利型3年
・固定金利型5年
・変動金利型10年
現在はいずれも年1%を超える水準となっており、
銀行の通常の定期預金を上回る利回りです。
銀行は、私たちの預金で国債を買い、
そこから利ざやを取っています。
仕組みを理解すれば、自分で国債を買う方が合理的なのは自然な話です。
■④ 今いちばん人気なのは「固定5年」
販売動向を見ると、
現在もっとも人気なのは固定金利型5年です。
・販売額は前年の約2.4倍
・固定3年も過去最高水準
「1%超の金利を、しばらく固定しておきたい」
そう考える人が増えている証拠です。
■⑤ 防災の視点で見る「国債の役割」
防災士として強調したいのはここです。
個人向け国債は、
生活防衛資金を“目減りさせにくく守る手段”です。
・災害
・病気
・失業
こうした事態が起きたとき、
元本割れのリスクがある資産は心理的な負担になります。
国債は、
「増やすため」ではなく
「守るため」に使う資産です。
■⑥ よくある誤解と注意点
金利1%でもインフレには負けます。
インフレ率が3%なら、実質的には購買力が下がります。
だからこそ重要なのは、
国債だけに偏らないことです。
・すべて株式 → 変動が大きすぎる
・すべて現金・国債 → インフレに弱すぎる
資産全体のバランスが、防災力になります。
また、個人向け国債は
「当面使わないお金」で買うのが前提です。
中途換金には利子のペナルティがあります。
■⑦ 変動10年が持つ意味
変動10年型は、
金利上昇局面で利子が増える仕組みです。
日本が本格的な金利上昇局面に入るなら、
金利上昇リスクへの保険として機能します。
■⑧ まとめ|個人向け国債は「静かな防災装備」
今日のポイントです。
・個人向け国債は元本割れしない
・金利は1%超の水準
・定期預金より合理的なケースが多い
・生活防衛資金の置き場所として有効
・インフレ対策は資産全体で考える
防災とは、
非常食や避難計画だけではありません。
お金が壊れにくい状態をつくることも、
立派な防災です。
個人向け国債は、
派手さはありませんが、
確実に「家計の耐災害力」を高めてくれます。
静かだけど、強い備え。
それが、今の個人向け国債です。

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