災害が起きてから「どんな音楽を聴けばいいか」を考える余裕はほとんどありません。被災地では、事前に“使える音”を決めていた人ほど、心の消耗が少ない印象がありました。この記事では、被災地経験を踏まえ、災害時のために事前に用意しておきたい音楽リストの考え方を整理します。
■① リストは「少数精鋭」でいい
大量の曲は不要です。被災地では、3〜5曲程度の小さなリストが最も使われていました。迷わず再生できることが、何より重要です。
■② 刺激が少なく、展開が穏やかな音
テンポが一定で、急な盛り上がりが少ない音が基本です。被災地では、環境音・インストゥルメンタル・ピアノやギターの単音中心の音が長く使われていました。
■③ 歌詞は「考えなくていい」ものを優先
歌詞がある場合は、意味を追わなくていいものが向いています。被災地では、抽象的・反復的な歌詞や、言語に依存しない音が安心材料になっていました。
■④ 「一曲=一区切り」になる長さ
長すぎる曲は集中力を奪い、短すぎると落ち着きません。被災地で使いやすかったのは、3〜5分程度で終わる音です。終わりが見えることで安心して使えます。
■⑤ 日常で聴き慣れている音を入れる
新しく探す必要はありません。被災地では、普段から聴いていた音楽が、そのまま心の支えになっていました。慣れ親しんだ音は、安心感を生みます。
■⑥ 子ども・高齢者用を分けて考える
家族がいる場合、全員同じリストである必要はありません。被災地では、子ども用には単純で優しい音、高齢者用には懐かしさを感じる音を用意している家庭が安定していました。
■⑦ オフラインで再生できる形にしておく
通信障害は前提として考えます。被災地では、事前にダウンロードしていた音が、そのまま使えて大きな差になっていました。オフライン再生は必須条件です。
■⑧ 「合わなくなる可能性」も想定する
昨日よかった音が、今日は合わないこともあります。被災地では、予備として2〜3種類の系統を用意していた人ほど、無理なく切り替えられていました。
■⑨ 音楽リストは“心の非常持ち出し”
災害時の音楽リストは、娯楽用プレイリストではありません。心を壊さないための非常用装備です。被災地で感じたのは、「事前に音を選んでいた人ほど、災害時に迷わず心を守れていた」という確かな事実でした。

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