2024年1月1日、石川県能登地方を襲った震度7の地震から2年が経過しました。
時間が経つにつれ、被害の姿は「建物の倒壊」から「避難生活による健康被害」へと変わっています。
■① 能登で際立った「災害関連死」という現実
能登半島地震では、亡くなった方の約7割が災害関連死とされています。
これは、地震の揺れそのものではなく、
・避難生活の長期化
・寒さ、疲労、ストレス
・医療・介護環境の悪化
といった要因が命を奪ったケースが多いことを意味します。
「助かったはずの命」が、避難生活の中で失われていった
――ここに、現代防災の大きな課題があります。
■② 一次避難だけでは命は守れない
災害時の避難は、一般的に次の流れをたどります。
・指定避難所などへの一次避難
・生活が成り立たない場合の二次避難
しかし、これまでの防災計画は
「一次避難まで」しか十分に想定されていませんでした。
能登半島地震では、避難が長期化する中で
「どこで、どう暮らすか」が命に直結する問題として顕在化しました。
■③ 注目された「二次避難」と民泊という選択肢
能登では、ホテルや旅館に加え、
民泊が二次避難先として活用され始めました。
民泊には次のような特徴があります。
・個室でプライバシーが守られる
・生活音や人間関係のストレスが少ない
・高齢者や家族連れでも落ち着いて過ごせる
集団生活が前提の指定避難所では難しかった
「生活の質(QOL)」を確保できる点が評価されています。
■④ 二次避難は「特別な人のもの」ではない
二次避難というと、
「本当に困った人だけ」「特別な対応」という印象を持たれがちです。
しかし実際には、
・体調が悪化している
・高齢者や持病がある
・避難所生活が心身に合わない
こうした理由で誰もが必要になる可能性があります。
二次避難は「贅沢」ではなく、
命を守るための合理的な判断です。
■⑤ これからの防災に必要な視点
能登の教訓は明確です。
・避難は「場所」ではなく「環境」を見る
・長期化を前提に考える
・早めに移動する選択を否定しない
そして、
民泊を含めた多様な避難先を事前に想定することが
災害関連死を減らす鍵になります。
■⑥ 今日からできる備え
・自分や家族が「集団避難に耐えられるか」を考える
・二次避難という言葉を知っておく
・自治体に二次避難の仕組みを確認する
備えとは、物だけではありません。
選択肢を知っておくこと自体が、防災です。
避難所に留まることだけが正解ではありません。
能登が示したのは、
「生き延びる避難」から「生き続ける避難」への転換でした。

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