2024年1月1日、石川県能登地方を襲った震度7の地震から2年。
復興が続くなか、能登半島地震は日本の防災に新たな課題と選択肢を突きつけました。
■① 避難所にいられない人が大量に生まれた現実
能登半島地震では、耐震性の低い木造家屋が多く、住宅被害が甚大となりました。
地震発生翌日の避難者数は4万人を超え、多くの指定避難所は早期に過密状態となりました。
その結果、
・十分なスペースが確保できない
・プライバシーが守られない
・体調や精神面に不安がある
といった理由から、
避難所での滞在を断念し、自宅や車中で過ごす人が相次ぐ事態となりました。
■② 二次避難が急務となった背景
余震が続き、ライフラインも途絶した状況下で、
「安全で、ある程度快適に過ごせる避難先」の確保は喫緊の課題でした。
石川県・国・民間企業が連携し、
2024年1月9日から二次避難の受付が開始されました。
しかし、能登地方や周辺地域では、
・ホテル
・旅館
・民宿
といった宿泊施設そのものも被災しており、
二次避難先の多くを県外に頼らざるを得ない状況だったのです。
■③ “もう一つの選択肢”として浮上した「民泊」
そこで注目されたのが、
民泊という新たな避難先でした。
民泊とは、戸建て住宅やマンション、アパートの空室などを
法律に基づき宿泊施設として提供する仕組みです。
近年はインバウンド需要の拡大により、
・空き部屋を貸したい人
・宿泊先を探す人
をインターネットで結びつける民泊サービスが急増しています。
■④ 行政と民間が連携した初の取り組み
能登半島地震では、
世界的な民泊プラットフォームであるAirbnbが行政に働きかけ、
2024年2月13日、石川県と協力協定を締結しました。
その結果、
・民泊136施設が宿泊提供を申し出
・2024年2月16日〜6月7日
・20組32名(延べ990泊)を受け入れ
という、日本では前例の少ない二次避難の形が実現しました。
■⑤ 民泊が持つ「避難先としての強み」
民泊には、指定避難所や大型宿泊施設とは異なる特徴があります。
・個室でプライバシーが確保できる
・生活リズムを保ちやすい
・高齢者や少人数世帯に適している
これは、災害関連死の大きな要因となる
ストレス・疲労・生活環境の悪化を抑える効果が期待できます。
■⑥ 二次避難は「特別」ではなく「現実的な備え」
能登半島地震は、
「一次避難=指定避難所」だけでは命を守りきれないことを示しました。
これからの防災では、
・避難生活の長期化を前提に考える
・複数の避難先を想定する
・民泊を含めた多様な選択肢を知っておく
ことが重要になります。
■⑦ 今日からできる防災の一歩
・二次避難という言葉を家族で共有する
・自分が集団避難に向いているか考える
・自治体の二次避難制度を確認する
備えとは、物資だけでなく「選択肢を知ること」です。
能登半島地震が教えてくれたのは、
生き延びる避難から、生き続ける避難への転換でした。

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