災害時に命を分けるのは、
知識や装備よりも「判断の質」。
現場を知る元消防士の視点から見ても、
防災には“新しいルール”がある。
今回は、
これまでの常識が通用しない場面と、
本当に意識しておくべき行動原則を整理する。
■① 災害時、人は必ず判断力を失う
災害が起きると、
人は想像以上に冷静さを失う。
・周囲に流される
・多数派について行ってしまう
・安全より「安心そう」に見える方を選ぶ
これは意志の弱さではなく、
人間の本能的反応。
だからこそ必要なのが、
事前に決めた「自分ルール」。
■② 防災は「自分ルール」を持つことから始まる
防災で重要なのは、
その場で考えないこと。
・宿泊先では避難口を必ず確認
・出口が1つなら代替ルートを考える
・災害時は情報を集めてから動く
こうした行動を、
日常の延長として習慣化する。
災害は特別な日ではなく、
「起きる前提」で扱うもの。
■③ ローリングストックとフェーズフリーの考え方
防災は「特別な備え」から、
「日常の延長」へ変わっている。
・食品や日用品を多めに持ち
・使いながら買い足す
・保管場所は分散させる
これがローリングストック。
さらに、
平時と非常時の境目をなくす
フェーズフリーの発想も重要。
懐中電灯になるペン、
濡れても消えない紙など、
普段使いできる物が命を助ける。
■④ 避難所は「安全な場所」とは限らない
避難所は万能ではない。
・秩序が整うまで時間がかかる
・盗難やトラブルが起きやすい
・感染症リスクも高い
特に重要なのが、
女性は一人で行動しないこと。
避難所では、
盗撮・窃盗・性的被害が
実際に発生している。
避難時は目立つ色の服で良いが、
避難所では露出を控え、
できるだけ地味な服装に切り替える。
■⑤ 生き延びるための基本原則「333の法則」
災害時の生存限界には目安がある。
・3分:呼吸ができない
・3時間:体温が保てない
・3日:水が飲めない
特に冬場は、
寒さ対策が命を左右する。
使い捨てカイロ、
寝袋、毛布は優先度が高い。
■⑥ よくある地震行動の間違い
「テーブルの下に隠れる」
これは万能ではない。
建物倒壊の恐れがある場合、
まず出口を確保する。
・ドアを開ける
・出口付近で姿勢を低くする
また、
地震中の姿勢は
両足を揃えてしゃがむのはNG。
利き足を後ろに引き、
膝をつき腰を落とさない
3点しゃがみが有効。
■⑦ インフラは「すぐ使わない」が正解
震度5弱以上の地震後は、
・電気:ブレーカーを落とす
・ガス:元栓を閉める
・水道:復旧確認まで使わない
通電火災や漏水、
二次災害を防ぐための基本行動。
■⑧ 車での避難にも注意点がある
走行中に地震が起きた場合、
・道路脇ではなく
・近くの店舗や駐車場へ
鍵をかけず、
連絡先を書いた紙を残す。
車検証は必ず携行する。
■⑨ 備えは「買わずに、回す」
防災用品は、
専用品でなくていい。
・普段使っている物
・家にある物
・使い慣れた物
これを
「買う → 使う → 買い足す」
この循環に乗せる。
■⑩ ペットの避難は事前確認が必須
ペット同行避難は、
自治体ごとに対応が違う。
・同行可能か
・車中避難か
・自宅待機か
必ず事前に調べ、
自分なりの避難パターンを決めておく。
■まとめ|防災の新ルールとは
防災は、
「その場で頑張るもの」ではない。
・事前に決める
・日常に組み込む
・迷わない仕組みを作る
そして何より、
人は必ず判断を誤る
という前提に立つこと。
それが、
命を守る一番現実的な防災。

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