【元消防職員が解説】防災×避難所の闇|語られてこなかった「性暴力」という現実

災害時、避難所は「安全な場所」だと信じられている。
しかし、現場では語られてこなかった現実がある。

それが、
避難所で起きていた性暴力

今回は、東日本大震災で実際に報告された事例をもとに、
防災の視点から「なぜ起きたのか」「どう備えるべきか」を整理する。


■① 「若いから仕方ない」と切り捨てられた被害

「夜になると、男の人が毛布の中に入ってくる」
「助けを求めても、“若いから仕方ない”と言われた」

これは噂ではない。
東日本大震災後、正式な調査報告書に記録された、
被災女性の証言。

避難所という閉鎖空間で、
被害は“見て見ぬふり”によって拡大していった。


■② なぜ避難所で性暴力が起きるのか

理由は複数ある。

・プライバシーがほぼ存在しない
・夜間の監視体制が弱い
・秩序が整うまで時間がかかる
・被災者全員が精神的に不安定

避難所は、
善意だけで成り立つ場所ではない

極限状態では、
理性より欲求や衝動が勝る人間が必ず現れる。


■③ 被害が「なかったこと」にされてきた構造

この問題が長く表に出なかった理由。

・被害を訴えると空気を壊すと思われた
・「非常時だから仕方ない」と矮小化された
・被害者が声を上げづらい環境だった

さらに、
被害者自身が
「自分が悪かったのでは」と思い込まされる。

沈黙が、
次の被害を生む構造があった。


■④ 避難所は“弱い立場”ほど危険が増す

特にリスクが高いのは、

・女性
・子ども
・障がいのある人
・高齢者

そして、
一人で行動する人

これは恐怖を煽る話ではなく、
現場で繰り返し起きてきた事実。


■⑤ 防災の新常識「避難所=最終手段」

防災の現場では、
避難所は「唯一の正解」ではない。

・親戚宅
・知人宅
・安全が確保できる車中避難

選択肢があるなら、
避難所以外を選ぶ判断も立派な防災。


■⑥ どう備えるべきか|現実的な対策

最低限、意識しておくべきこと。

・女性は可能な限り複数人で行動
・夜間は一人でトイレに行かない
・貴重品・着替え・身分証は常に携行
・肌の露出は避ける
・違和感を感じたら場所を変える

「我慢」や「遠慮」は、
命と尊厳を守らない。


■⑦ 防災は「命」だけでなく「尊厳」を守るもの

これまでの防災は、
生き延びることだけに焦点が当たっていた。

しかし本来は、
生き延びたあと、どう生きるかまで含めて防災。

尊厳が壊れると、
心は長く回復しない。


■まとめ|語られなかった現実を、備えに変える

避難所での性暴力は、
特別な事件ではない。

・起きうる
・繰り返されてきた
・今後も起こりうる

だからこそ、
事前に知り、
判断材料として持っておくことが重要。

防災とは、
「最悪を想定すること」。

それは悲観ではなく、
守るための準備

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