【元消防職員が解説】防災×AI|防災庁時代に本格化する「AI防災」は何が変わるのか

防災庁の設置方針の中で、もう一つ明確に打ち出されたのが
AI・デジタル技術の本格活用です。

これは「最新技術を使います」という話ではありません。
日本の防災を、
人の勘と根性頼みから脱却させる転換点になります。


■① なぜ今「防災×AI」なのか

これまでの災害対応は、

・情報が集まらない
・判断が遅れる
・現場に負荷が集中する

この3点が常に課題でした。

災害時に人がやっていることは、実は、

・大量の情報を集め
・優先順位を付け
・選択肢を絞り
・判断する

という作業の連続です。

このうち
情報収集・整理・分析は、
AIが最も得意とする分野です。


■② 防災庁で想定されるAI活用領域

防災庁構想から見える、AI活用の中心は次の分野です。

・被害想定の高度化
・避難情報の最適化
・被災状況のリアルタイム把握
・救助・支援の優先順位付け
・復旧・復興計画のシミュレーション

特に重要なのは、
発災直後〜初動72時間の判断支援です。


■③ 現場で起きていた「判断の限界」

消防・防災の現場では、

・情報が断片的
・電話が鳴り止まない
・判断を迫られる時間が短い

という状況が常態化します。

結果として、

・最善ではないが「今できる判断」
・後から見れば改善できた判断

が積み重なってきました。

AIは、
この「人間の処理限界」を補完します。


■④ AIは「指示を出す存在」ではない

重要な前提があります。

AIは、
・命令する存在
・人の代わりに決断する存在

ではありません。

役割はあくまで、

・選択肢を整理する
・見落としを防ぐ
・判断材料を提示する

最後に決めるのは人間です。

この関係性を間違えないことが、防災AI成功の条件です。


■⑤ 防災大学校とAIはセットで機能する

AI防災が機能するためには、
それを「使いこなせる人材」が必要です。

ここで防災大学校が生きてきます。

・AIの限界を理解する
・データを鵜呑みにしない
・最終判断の責任を負う

こうした教育なしに、
AIだけを導入しても事故は防げません。


■⑥ 市民レベルでも進む「AI防災」

AI防災は、国や自治体だけの話ではありません。

すでに身近なところでは、

・ハザードマップの高度化
・避難情報アプリ
・家族の避難判断支援
・災害時チャットボット

として使われ始めています。

これは、
自律型避難を支える道具でもあります。


■⑦ 元消防職員としての本音

現場にいた人間として、正直に言います。

AIがあれば助かった場面は、確実にありました。

・判断を迷ったとき
・情報が足りなかったとき
・後から「別の選択肢があった」と気づいたとき

AIは、
人を責めるためのものではありません。

人を孤独な判断から守るための存在です。


■まとめ|AIは「防災の相棒」になる

防災庁とAIの組み合わせは、

・判断を軽くする
・現場の疲弊を減らす
・助かる確率を上げる

ためのものです。

完璧な防災は存在しません。
しかし、後悔の少ない判断は増やせます。

AIはそのための道具です。

これからの防災は、

・人が考え
・AIが支え
・社会全体で守る

そんな形へ進んでいきます。

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