【防災士が解説】防災×エスタブリッシュメント⑤|「空気」が避難を止める

前回は、
「正しさ」が命を奪う瞬間
について整理しました。

今回は、さらに厄介な存在――
エスタブリッシュメントを支える“空気” に焦点を当てます。


■① 避難を止める最大の敵は「空気」

災害時、実際に多くの人の行動を縛っているのは、

・法律
・ルール
・命令

ではありません。

本当の正体は、

「周囲の空気」 です。


■② よくある「空気の言葉」

現場で何度も聞いてきた言葉があります。

・「まだ大丈夫じゃない?」
・「みんな動いてないし」
・「ここで逃げたら大げさ」
・「迷惑かけるかもしれない」

これらはすべて、
判断を止める空気の言語化 です。


■③ 空気は誰も責任を取らない

空気の恐ろしさはここにあります。

・誰が言い出したかわからない
・でも全員が従っている
・結果が悪くても責任の所在が消える

エスタブリッシュメント以上に、
逃げ場のない圧力 になります。


■④ なぜ日本では空気が強いのか

理由はシンプルです。

・集団調和を重視する文化
・目立つ行動を避ける教育
・「和を乱すな」という価値観

これらが、
非常時でも無意識に作動します。


■⑤ 空気は「正常性バイアス」と結びつく

空気は、心理的バイアスと結合します。

・みんな逃げていない → まだ平常
・異変を認めると不安が増す
・不安より安心を選びたくなる

結果として、
「今まで通り」が選ばれる


■⑥ 空気に逆らう人は浮く

災害時でも、

・一人で避難する人
・早めに動く人

は、こう見られがちです。

・神経質
・大げさ
・協調性がない

この評価が怖くて、
人は動けなくなります。


■⑦ 空気は命より優先されることがある

これは厳しい現実ですが、

・命より
・家族より

空気を優先してしまう場面 が、
実際に起きています。

それほど、空気は強い。


■⑧ 自律型避難は「空気を壊す行為」

自律型避難とは、

・空気を読むことをやめる
・浮くことを受け入れる
・先に動くことを選ぶ

という行為です。

これは勇気が要ります。


■⑨ 空気から自由になるための視点

一つ、覚えておいてほしい考え方があります。

「その空気は、誰の命を守るためのものか?」

・守っているなら従う価値がある
・守っていないなら、従う理由はない

判断基準はそれだけで十分です。


■⑩ 空気より、帰る場所を守れ

避難は、評価されるためにするものではありません。

・家に帰るため
・家族に会うため
・生き延びるため

空気を壊してでも守る価値があります。


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