【防災士が解説】防災×活断層|「日本一リスクが高い」と言われても伝わらない理由

「日本一リスクが高い活断層があると聞いても、住民は“知らなかった”と言う」

この言葉は、防災の本質的な課題を突いています。
日本では活断層のリスク評価が進み、国は具体的な数値やランクまで示しています。
それでもなお、多くの人が「自分ごと」として受け止められていません。


■① 日本は“どこでも地震が起きる国”

日本列島には数千の活断層が存在すると言われています。
国の地震調査研究推進本部は、その中から114の「主要活断層帯」を選び、長期評価を公表しています。

つまり、
地震は一部の地域だけの話ではありません。


■② リスクは「見える化」されている

活断層の地震発生確率は、

  • Sランク(30年以内に3%以上)
  • Aランク(0.1~3%未満)
  • Zランク(0.1%未満)
  • Xランク(不明)

という形で分類されています。

たとえば、
糸魚川-静岡構造線断層帯(中北部)は、今後30年で14~30%という非常に高い確率が示されています。

数字としては、すでに十分“危険”が示されている状態です。


■③ それでも「知らなかった」と言われる現実

熊本地震の前、日奈久断層帯は
「日本一地震発生確率が高い活断層」として公表されていました。

自治体は防災計画を見直し、
ハザードマップも配布され、
新聞でも繰り返し報道されていました。

それでも、地震後に多くの住民がこう語りました。

「そんな危険な活断層があるとは知らなかった」


■④ 数字だけでは、人は動かない

防災情報は「正確に出す」だけでは足りません。

  • 数字が難しい
  • 今すぐ起きるわけではない
  • 日常生活に影響がない

こうした理由で、情報は頭を通り抜けてしまいます。

“知っている”と“行動できる”は別物なのです。


■⑤ 活断層は「突然、直下で揺れる」

活断層地震の最大の特徴は、
揺れが非常に強く、逃げる時間がほとんどないことです。

南海トラフ地震のような広域地震と違い、

  • 事前の異変が少ない
  • 揺れがいきなり最大級になる

だからこそ、
「起きてから考える」は通用しません。


■⑥ 海底活断層という“見えないリスク”

近年の地震では、海底活断層が原因となるケースも増えています。

海底断層は掘削調査が難しく、
発生確率が「不明」とされるものも多いのが現実です。

しかし、
断層の長さから地震規模を推定することは可能で、
実際に能登半島地震では、想定されていた規模の地震が発生しました。


■⑦ 防災で一番大切なのは「自分で調べること」

国や自治体は、
すでに多くの情報を公開しています。

問題は、
それを自分の生活に結びつけている人が少ないことです。

  • 自宅の近くに活断層はあるか
  • 想定される揺れの強さは
  • 建物は耐えられるか

これを一度確認するだけでも、防災力は大きく変わります。


■⑧ 「知らなかった」で命は守れない

災害は、
「知らなかった人」を待ってはくれません。

防災とは、
不安をあおることではなく、
判断を早くするための準備です。

年末年始や時間のあるときに、
一度だけでも、自分の地域の活断層を調べてみてください。

それが、命を守る最初の一歩になります。

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