2026年に予定されている防災庁の発足。
国の体制が変わることは報じられていますが、実は最も影響を受けるのは自治体です。
「市町村の仕事は楽になるのか」
「指示が増えて逆に大変になるのでは?」
防災の現場を知る立場から、防災庁設置によって自治体がどう変わるのかを整理します。
■① これまでの自治体防災の限界
現行制度では、災害対応の最前線は自治体です。
・避難指示の発令
・避難所の開設運営
・被害情報の集約
・住民対応
一方で、国の関与は
・内閣府
・各省庁
・関係機関
と分散しており、
自治体側から見ると「どこに相談すればいいのか分かりにくい」状況が続いてきました。
特に大規模災害では、
・情報が遅れる
・指示が錯綜する
・自治体職員が疲弊する
という課題が顕在化しています。
■② 防災庁で期待される自治体への変化
防災庁が本来機能すれば、自治体にとって次の変化が期待されます。
・国の窓口が一本化される
・災害時の指示系統が明確になる
・平時からの事前調整が進む
・応援職員・物資の調整が早くなる
特に重要なのは、
「災害時に自治体が一人で抱え込まなくてよくなる」点です。
■③ 避難判断への影響はどうなるか
防災庁ができても、
避難指示を出すのは原則として自治体です。
ただし、
・気象情報
・被害想定
・過去事例
これらを防災庁が統合・分析し、
自治体に判断材料を早く・分かりやすく提供できれば、
・避難の遅れ
・判断の迷い
は確実に減ります。
自治体の責任を奪うのではなく、
判断を支える存在になるかが鍵です。
■④ 自治体職員の負担は減るのか
正直なところ、
自動的に楽になるわけではありません。
初期段階では、
・新しい報告様式
・新たな会議
・新たな連携調整
が増え、
一時的に負担が増す可能性もあります。
重要なのは、防災庁が
・現場目線で制度を作るか
・書類仕事を増やさないか
この点を本気で考えるかどうかです。
■⑤ 小規模自治体ほど影響は大きい
防災庁設置の恩恵を最も受けるのは、
・職員数が少ない
・専門職がいない
・経験の蓄積が難しい
こうした小規模自治体です。
・専門的助言
・即応部隊の調整
・訓練やマニュアル支援
これが実効性を持てば、
地域間の防災格差を縮める可能性があります。
■⑥ 懸念点は「現場軽視」
一方で、最大の懸念はこれです。
国主導が強くなりすぎること。
・現地状況を無視した指示
・画一的なマニュアル
・自治体裁量の縮小
これが起きれば、
現場は混乱します。
防災庁には、
「上から管理する組織」ではなく
「下を支える組織」である姿勢が求められます。
■⑦ 防災庁で自治体防災は良くなるのか?
結論はシンプルです。
防災庁次第。
・司令塔として機能すれば、自治体は助かる
・机上組織に終われば、自治体は疲弊する
制度だけでは、災害対応は良くなりません。
■⑧ 最後に:自治体防災の主役は変わらない
防災庁ができても、
・地域を知るのは自治体
・住民を守る最前線は自治体
この構図は変わりません。
防災庁は「主役」ではなく、
自治体が主役であり続けるための黒子であるべきです。
その役割を果たせるかどうか、
私たちは冷静に、そして継続的に見ていく必要があります。

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