「津波=海岸の話」と思っていませんか。
しかし実際には、津波は河川を通って内陸へ押し寄せることがあります。これを河川津波と呼びます。
今回のテーマは、海から離れた地域でも無関係ではない「河川津波」のリスクと、私たちが今日から見直すべき避難行動です。
■① 河川津波とは何か
河川津波とは、地震によって発生した津波が、河口から川をさかのぼり内陸へ侵入する現象です。
国の整理でも、東日本大震災を教訓に「河川を遡上・流下する津波」として明確に対策対象とされています。
河川は津波の“通り道”になりやすく、次のような被害が起こり得ます。
・河口から数キロ〜数十キロ遡上する
・堤防の越流や損傷で浸水が拡大
・水門や排水機場の機能低下
・がれき詰まりによる長期浸水
■② 「海から離れているから大丈夫」が危険な理由
河川津波の怖さは、日常生活の延長線上にあることです。
・散歩道
・通勤・通学路
・河川敷や遊歩道
・橋のたもと
こうした場所が、避難時の弱点になることがあります。
海から距離があっても、川沿いに住んでいる・通っている人は要注意です。
■③ 今日やること:津波ハザードマップの見直し
私がまずやるのは、津波ハザードマップを「海だけでなく川沿いまで」見ることです。
確認ポイントは次の3つです。
・川沿い(堤防・遊歩道・橋周辺)に浸水想定がないか
・指定緊急避難場所(津波)はどこか
・そこへ行く最短ルートは高い方向か
加えて、夜間や雨天でも行ける第二候補の避難先を1つだけ決めておくと、判断が早くなります。
■④ 地震直後の原則:「警報待ち」より「まず高い所」
津波は繰り返し来ることがあり、最初の波が最大とは限りません。
行動の原則はシンプルです。
・強い揺れを感じたら、海だけでなく川沿いからも離れる
・可能な限り高い場所へ向かう
・橋の上や河川敷に留まらない
・警報解除まで戻らない
「様子を見る」が一番危険です。
■⑤ 家族がいる場合の避難ルール
判断の遅れは、特に高齢者や子どもに影響します。
私は家庭で、次の3点だけを決めておくことを勧めます。
・誰が誰を連れて避難するか
・家に戻らず「高い場所で合流」を原則にする
・連絡が取れない前提で、伝言方法を決める
複雑な計画より、「迷わない一文」が大切です。
■⑥ 河川津波に備える防災用品の優先順位
河川津波では、濡れる・汚れる・寒いを前提にします。
私は軽量で行動を妨げない装備を優先します。
・防水スタッフバッグ
着替えや衛生用品を守れるだけで行動の不安が減ります。
・モバイルバッテリー
情報が取れるかどうかが、次の判断を左右します。
・携帯トイレ
道路寸断や避難所混雑で不足しやすく、精神的負担を下げます。
・口腔ケア用品
体調管理の一部として、水が少なくても使えるものを。
■⑦ 津波避難に強い防災アプリの考え方
アプリは入れすぎない方が機能します。
私は「通知で届くもの」を2つ程度に絞ります。
・警報や避難情報が即届くもの
・落ち着いて状況確認ができるもの
津波は“見に行く”より“届く”設定が向いています。
■⑧ まとめ:河川津波は避難対象を広げる発想が命を守る
河川津波は、海岸部だけの話ではありません。
私たちが今日できることは次の3つです。
・津波ハザードマップを川沿いまで確認する
・揺れたら川沿いからも離れて高い場所へ逃げる
・濡れ・寒さ・衛生に強い軽量装備を準備する
備えの量よりも、避難行動の迷いを減らすことが最大の防災になります。

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