近年、ニュースを見ていると「河川氾濫」が決して特別な災害ではなく、私たちの身近で起き得る現実的なリスクであることを強く感じます。地球温暖化の影響で、記録的な大雨やゲリラ豪雨が頻発し、河川の水位が短時間で急上昇する事例が増えています。堤防を越えて水があふれる外水氾濫だけでなく、下水道や排水路から水が逆流する内水氾濫も都市部では深刻です。2018年の西日本豪雨、2024年の能登豪雨を見ても、「自分の地域は大丈夫」と言い切れる場所はほとんどありません。
■① 河川氾濫のリスクは全国どこにでもある
日本の市区町村の多くで、過去10年間に何らかの水害が確認されています。大河川だけでなく、中小河川や用水路でも短時間に氾濫が起きるため、「川から離れているから安心」という思い込みは危険です。特に夜間や外出中、情報が入りにくい状況では判断が遅れやすくなります。
■② 洪水予報と警戒レベルを正しく理解する
河川氾濫では、情報をどう受け取り、どの段階で動くかが生死を分けます。洪水予報は段階的に発表され、それぞれ避難行動の目安があります。
氾濫注意情報の段階では、ハザードマップを確認し、避難先や経路を再確認します。氾濫警戒情報が出たら、高齢者や子どもなど時間がかかる人は避難を始めます。氾濫危険情報は全員避難のタイミングです。氾濫発生情報が出た時点では、すでに浸水が始まっているため、命を守る行動を最優先にする必要があります。
私自身、「避難指示が出てから動く」のでは遅いという現実を、過去の災害事例から強く学びました。
■③ 過去の災害が教えてくれる教訓
2024年の能登豪雨では、短期間に大量の雨が降り、中小河川を中心に氾濫が相次ぎました。2018年の西日本豪雨では、避難情報が出ていたにもかかわらず、高齢者を中心に多くの犠牲が出ました。これらの災害に共通しているのは、「逃げる判断が遅れたこと」が被害を拡大させた点です。
■④ 今日からできる個人の備え
まず取り組みたいのは、ハザードマップの確認です。自宅や職場が浸水想定区域に入っていないかを確認し、川沿いだけでなく内水氾濫の想定も見ておくことが重要です。あわせて、避難場所と避難経路を複数考えておきます。親戚の家や宿泊施設など、公的避難所以外も選択肢に入れると行動の幅が広がります。
家族との連絡方法も事前に決めておきましょう。災害時は電話がつながりにくくなるため、災害用伝言ダイヤルや伝言板の使い方を一度体験しておくと安心です。
■⑤ 河川氾濫を想定した持ち出し袋の考え方
水や食料に加えて、河川氾濫では「濡れる」「歩きにくい」状況を想定した準備が重要です。長靴は水が入ると動けなくなるため、スニーカーとレインウェアの方が実用的です。ライト、モバイルバッテリー、携帯ラジオ、簡易トイレなども優先度が高い備えです。
■⑥ マイ・タイムラインで行動を具体化する
マイ・タイムラインとは、「いつ」「誰が」「何をするか」を時系列で整理した行動計画です。警戒レベル3で高齢の家族を迎えに行く、レベル4で全員が避難を開始する、といった具体的な行動を決めておくことで、判断の迷いを減らせます。
■⑦ 防災アプリで情報を取りこぼさない
河川氾濫は状況の変化が早いため、情報が自動で届く仕組みが役立ちます。普段から防災アプリの通知をオンにし、「どの情報が来るか」を見慣れておくことが大切です。
■⑧ まとめ:逃げ遅れないための準備が命を守る
河川氾濫は、予測できても対応が遅れれば被害につながります。ハザードマップの確認、持ち出し袋の準備、家族との連絡方法、そしてマイ・タイムラインの作成。これらはすべて、今日から少しずつ進められる備えです。私自身も、このテーマを通じて改めて家族と避難行動を話し合おうと感じました。逃げ遅れゼロを目指し、日常の中でできる防災を積み重ねていきましょう。

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