災害時に人の行動を左右するのは、
「どんな情報を、どう伝えるか」です。
世界では、災害時の情報発信を科学する
クライシスコミュニケーション(危機コミュニケーション) が急速に発展。
日本の防災にも役立つポイントが数多くあります。
■ 1. 世界の防災は“短く・強く・一目でわかる”が鉄則
海外の危機発信は、とにかく シンプル。
例)アメリカFEMA
- “GO NOW”(今すぐ逃げろ)
- “MOVE TO HIGHER GROUND”(高い場所へ)
- “LEAVE AREA”(この地域から離れろ)
文字を減らして 行動を一言に絞る のが特徴。
日本の避難情報は丁寧で長文になりがちですが、
世界では「短い命令文」が命を守ると言われています。
■ 2. 色と図形で“危険度”を判断させる国が多い
欧米やアジアの先進都市では、
文章より ビジュアル優先 の災害情報が主流。
- 色(赤・黄・緑)で危険度を統一
- 地図の危険エリアを“塗りつぶし”で即表示
- 矢印で避難方向を見せる
- アイコンで避難所種別を表示
日本のキキクルも優秀ですが、
海外はさらに “視覚だけで判断できる災害情報” を徹底しています。
■ 3. 情報は“公式・SNS・住民ネットワーク”の3本立て
世界で定着しているのは、
災害情報を 3つの入口 から同時に流す方法。
① 行政の公式情報
信頼性が最も高い。
② SNS(X・Facebook・WhatsApp など)
即時性が高く、若者に強い。
③ 住民ネットワーク
近所・自治会・学校・職場での情報共有が最も行動につながる。
つまり、
“公式だけでは避難率は上がらない”
という研究結果が海外では明確に示されています。
■ 4. 世界で急増中:“多言語防災”の徹底
世界中で外国人が増えており、
防災情報を 多言語化 する流れが急拡大。
- 英語
- 中国語
- 韓国語
- ベトナム語
- タガログ語
- アラビア語
災害時の“言語の壁”は命に直結するため、
海外では街の掲示板やアプリも多言語化が標準。
日本でも外国人の逃げ遅れが課題化しており、
取り入れるべき重要ポイントです。
■ 5. 日本の防災に活かせる“伝え方のコツ”
① 危険度は色と地図で伝える
② 一文は短く、行動を指示する
③ SNS連携を強化
④ 在住外国人向けの多言語サポート
⑤ 住民ネットワークを事前に強化
⑥ “誰が見ても分かる発信”を徹底
情報の伝え方が変われば、
災害時の避難率は大きく変わります。
■ まとめ
クライシスコミュニケーションは、
「伝え方」で命を守る最新の防災学 です。
- 行動を一言で指示
- 図と色で直感的に理解
- SNS・公式・地域の複数ルート
- 多言語化
- 住民同士の“共助ネットワーク”
これらはすべて、日本の防災にもそのまま応用可能。
「どう伝えるか」を磨くことで、
救える命は確実に増えていきます。

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