日本は耐震技術世界一と言われますが、
世界には「耐震以外の視点」で災害に強い建物を作る国が存在します。
その違いを知ることで、日本でも新たな防災リフォームのヒントが得られます。
■ 1. トルコ:建物に“倒壊覚悟ゾーン”を設ける文化
地震国トルコでは、
建物内部に 緩衝スペース を作る設計が増えている。
- 倒壊時に荷重が逃げる空間
- 家具の倒壊を防ぎ、生存空間を確保
- 通路が塞がりにくくなる
日本の耐震補強と組み合わせると、
“命を守る空間作り”がさらに進化する。
■ 2. イタリア:石造建築を“しならせる”補強技術
イタリアは古い石造建築が多く、
壊せない歴史的建物のために特殊な補強技術を使う。
- ワイヤーで全体を締める
- 外観を壊さず内部を強化
- 地震の揺れを逃がす構造
日本の古民家保全にも応用可能。
■ 3. アメリカ(ハリケーン地帯):屋根は“飛ばない形”が前提
アメリカ南部では、
強風対策として屋根の形状そのものを工夫している。
- 屋根を低くする
- 空気抵抗の少ない形にする
- 釘ではなく金属ジョイントで固定
- 車庫も風対策を徹底
日本の台風多発地域でも有効。
■ 4. スイス:雪国は“屋根より壁”を強化する
スイスは大量の積雪に耐えるため、
建物の壁を非常に強く作る。
- 厚い断熱壁
- 重量に耐える構造
- 力が分散される設計
日本の豪雪地域では、耐雪住宅の発想強化に役立つ。
■ 5. フィリピン:柱と梁を“風と水”で分けて設計
台風と洪水が多いフィリピンでは、
建物設計が災害別に最適化されている。
- 柱は風圧に強い設計
- 床面は浸水を想定して高く
- 通気性を確保し湿害を防止
災害ごとに建物の“役割”を分けている点が日本と違う。
■ まとめ
世界の建物づくりは、日本の耐震中心の発想とは異なる視点に満ちている。
- 生存空間重視(トルコ)
- 文化財を守る補強(イタリア)
- 強風前提の屋根設計(米国)
- 積雪に耐える壁構造(スイス)
- 災害ごとに最適化された柱と床(フィリピン)
これらを日本の高い建築技術と組み合わせれば、
“総合防災型の住宅づくり”が加速します。

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