冬は停電が長引くことが多く、
その影響を最も受けるのが 冷蔵庫・冷凍庫の停止 です。
「冬は寒いから大丈夫でしょ？」
と思われがちですが、実は 冬こそ食品トラブルが増える季節 です。
ここでは、停電時に食品はどれくらい持つのか、
そして“食べてもいいか・捨てるべきか”の判断基準を解説します。
■ 1. 冬でも冷蔵庫が危険になる理由
●（1）室温は“冷蔵庫より高い”
外が寒くても、
室内は暖房や生活熱で 10〜20℃近くになる ことがあります。
冷蔵庫（4℃）よりはるかに高温。
●（2）開閉した瞬間に温度が急上昇
扉を開くたびに冷気が逃げ、
食材は“常温にさらされる”状態に。
●（3）見た目・ニオイだけでは腐敗は分からない
冬でも細菌は繁殖します。
「冬だから大丈夫」は大きな誤解。
■ 2. 冷蔵庫停止時の“安全時間の目安”
★ 冷蔵庫（4℃）
2〜4時間 → 安全
4〜6時間 → 危険ゾーン
6時間以上 → 食材によっては廃棄推奨
★ 冷凍庫（−18℃）
扉を開けなければ 24〜48時間 は持つ。
ただし、
氷が柔らかくなり始めたら危険サイン。
■ 3. 停電時の“食べてもいい・危険な食材”判断
●（OK）比較的安全なもの
- 未開封の飲料
- バター・ジャム
- 調味料
- ハードチーズ
- 漬物（塩分が高いもの）
- パン類
●（NG）最も危険な食材
停電中に 6時間以上 経ったら基本は廃棄。
- 肉・魚
- 卵料理
- 乳製品（要冷蔵）
- 切った野菜・果物
- お弁当
- 惣菜
- 生もの全般
●（判断が難しいものは？）
“少しでも心配なら捨てる”
これが最も安全なルール。
■ 4. 冬の停電前に準備しておくと安全になる
●（1）冷凍庫に“保冷剤”を常備
隙間を埋めるように入れると保冷力が大幅アップ。
●（2）ペットボトルの水を凍らせておく
停電時の“巨大保冷剤”として大活躍。
●（3）冷蔵庫を開けない
開閉を1回でも減らすことが最大の防災。
●（4）非常食は“常温で食べられるもの”を中心に
停電で調理ができない可能性があるため、
缶詰・カロリーメイト・パン・レトルト系を常備。
■ 5. 停電が長引いたときの行動
●（1）外気温が低い時は“屋外の影”で保冷
ただし動物・カラス対策が必要。
密閉容器に入れて利用。
●（2）食材は優先順位を決めて消費
①気温に弱いもの（生もの）
②乳製品
③加熱すれば食べられるもの
④常温でOKなもの（最後）
●（3）異常があれば絶対に食べない
“もったいない”は食中毒の最大リスク。
■ 6. 冬の停電は“食の災害”にもなる
冬の停電は、
・低体温
・暖房停止
だけでなく 食品トラブルによる健康被害 が多い災害です。
しかし、
・冷凍庫の保冷力UP
・開閉を減らす
・判断ルールを知る
この3つを押さえるだけで、
家庭の食の安全は大きく守れます。
冬の災害は“食の備え”も同じくらい大切。
今日からできる対策で、家族の健康を守りましょう。
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