冬になると、「急にお湯が出なくなった」というトラブルが増えます。
実はこれ、給湯器の故障ではなく“冬特有の現象”で起きるものがほとんど。
ここでは、冬にガス給湯器が止まりやすい理由と、家庭でできる予防策をまとめます。
■ 1. 冬に給湯器トラブルが増える理由
●(1)凍結
給湯器トラブルの 7割 はこれ。
水道管・給水ホースの中の水が凍り、流れなくなるためお湯が出ない。
●(2)気温が急に下がる“放射冷却”
晴れた朝に多く、地表の温度が一気に下がるため凍結が起きやすい。
●(3)古い給湯器は冬に負荷が集中
10年以上経過すると、寒さで部品が劣化しやすい。
●(4)給湯器の外置きが多い日本の住宅事情
海外では室内設置が主流。
日本は屋外設置が多いため、冬の影響を受けやすい。
■ 2. 給湯器の凍結を防ぐ方法
●(1)ちょろちょろ水を出しておく
最強の対策。
凍結は“止まっている水”から起こるため、流しておくと防げる。
●(2)給湯器周りに段ボール+毛布で防寒
直接覆うのではなく、風避けを作るイメージ。
●(3)お風呂の残り湯を循環モードに
フルオート浴槽なら、残り湯で配管を保温できる。
●(4)エコキュートは“凍結防止モード”をON
意外と知られていないが、冬は必須。
■ 3. 凍結してしまった時の対処法
- 給湯器は触らない
- 電源は切らない
- 自然解凍を待つ
- 配管にタオルを巻き“ぬるま湯”をかける(熱湯は絶対ダメ)
無理にいじると故障につながる。
■ 4. 特に注意すべき家庭
- 北側に給湯器がある家
- 日陰・風が強い場所に設置されている家
- 築10〜20年以上
- 室外機や配管がむき出し
- 高齢者だけで住んでいる家(凍結に気づかない)
■ 5. 冬の給湯器トラブルを防ぐ“家庭の防災術”
● 前日の夜に天気を確認
最低気温0℃以下なら“凍結リスク日”。
● ちょろ出し運転は深夜〜早朝に
1〜2mmの水流で十分。
● 給湯器の周囲を風から守る
小さな風防を作るだけで凍結率が激減する。
● 定期メンテナンス
10年以上の給湯器は、冬の前に点検しておくと安心。
■ まとめ
冬にお湯が出なくなるのは、故障ではなく
「凍結」 がほとんど。
しかし、
ちょろ出し・防風対策・配管保温の3つだけで、
冬の給湯トラブルの大半は防げます。
“冬のお湯が出ない”は、防災の一つ。
今日の対策が、寒い朝の不安をなくします。

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